TV−CM制作大手のティー・ワイ・オー<4358>(東1)の株価は、7月17日戻り高値195円から8月8日直近安値165円まで調整したが、その後は概ね170円台で推移して調整一巡感を強めている。反発のタイミングだろう。9月11日に前期(14年7月期)決算発表を予定している。今期(15年7月期)の収益拡大を期待して動意付く可能性もあるだろう。
TV−CM事業(広告代理店向けのTV−CM企画・制作およびポスト・プロダクション業務)を主力として、マーケティング・コミュニケーション事業(広告主向けWEB広告およびプロモーションメディア広告の企画・制作、クロスメディア広告業務)、その他事業(アニメーションおよびミュージックビデオの企画・制作など)も展開している。
13年9月発表の新中期経営計画では、目標数値として16年7月期売上高320億円、営業利益21億50百万円を掲げている。さらに株主還元として配当性向25%以上と株主優待の継続的実施の方針も示している。海外展開は「ASEAN+インド」でクリエイティブ企業のネットワーク構築を目指し、現地の独立系エージェンシーに対するM&Aも検討しているようだ。
前期(14年7月期)の連結業績見通し(13年9月12日公表)は売上高が前々期比6.0%増の265億円、営業利益が同13.8%増の17億円、経常利益が同10.8%増の15億40百万円、純利益が同10.1%増の8億90百万円で、配当予想は同3円増配の年間6円(期末一括=普通配当3円+上場市場変更記念配当3円)としている。
第3四半期累計(13年8月〜14年4月)は前年同期比6.5%増収、同6.9%営業増益、同0.1%経常増益、同35.8%最終減益で、通期見通しに対する進捗率は売上高が72.4%、営業利益が73.4%、経常利益が69.1%、純利益が45.6%だった。
純利益は貸倒引当金繰入額発生が影響するが、売上面では主力のTV−CM事業が好調に推移している。案件単価が堅調に推移して、大型案件や大口広告主からの直接受注も増加している。コスト面では利益管理を徹底して売上原価と販管費の削減を強化し、人件費の先行投資一巡も寄与する。営業外での市場変更関連・株式売出し関連費用を吸収して通期ベースで増収増益見通しだ。
今期(15年7月期)もTV−CM事業は自動車、電気・情報通信、飲料、衣料業界向けを中心に好調が続き、マーケティング・コミュニケーション事業の収益改善も寄与して好業績が期待される。広告市場は拡大基調であり、国内TV−CM制作業界では当社を含む大手制作3社による寡占化傾向を強めているようだ。景気回復や20年東京夏季五輪開催も追い風となるため事業環境は中期的に良好であり、収益拡大基調だろう。
株価の動き(13年10月25日付でJASDAQ市場から東証2部に市場変更、14年1月30日付で東証2部から東証1部に指定替え)を見ると、7月17日の戻り高値195円から急反落して8月8日の直近安値165円まで調整したが、その後は概ね170円台で推移して調整一巡感を強めている。9月8日は終値で前日比5円(2.94%)高と反発した。9月11日予定の前期(14年7月期)決算発表が接近して、今期(15年7月期)の収益拡大を期待する動きのようだ。
9月8日の終値175円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS14円90銭で算出)は11〜12倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は3.4%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS70円01銭で算出)は2.5倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線が下値を支えている。また日足チャートで見ると戻りを押さえていた25日移動平均線を突破して動意の構えを見せている。調整が一巡して反発のタイミングだろう。
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2014年09月09日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ティー・ワイ・オーは調整一巡して反発のタイミング
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:53
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