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2014年09月09日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ライドオン・エクスプレスは7月〜8月の直近安値圏から切り返し、出直り本格化

 フードデリバリー事業のライドオン・エクスプレス<6082>(東マ)の株価は、6月戻り高値3590円から一旦反落したが、7月〜8月の直近安値圏2600円近辺から切り返しの動きを強めている。8月27日には第2四半期累計(4月〜9月)業績の増額修正を好感して3200円まで戻す場面があり、その後も2800円〜2900円近辺で推移している。中期成長力を再評価する動きだろう。短期調整が一巡して出直りの動きが本格化しそうだ。

 宅配寿司NO.1の「銀のさら」を中心に「食」を通じた「宅配」サービスを、主に「団塊〜シニア」マーケット向けに「ビッグデータ」を活用して「FC展開」する企業である。

 主力のフードデリバリー事業(調理済み食材宅配事業)では、宅配寿司「銀のさら」、宅配御膳「釜虎」、シニア向け宅配弁当「銀のお弁当」、宅配とんかつ「あげ膳」、宅配カレー「カレーキャリー」を全国展開し、提携レストラン宅配代行サービスの「ファインダイン」事業、アート創作サービス「リトルアーティスト」事業も展開している。14年4月には「銀のさら」よりも低価格の新ブランド宅配寿司「ろくめいかん(鹿鳴館)」も開始した。

 宅配寿司・釜飯カテゴリーにおいて圧倒的な市場シェアとブランド力を誇っている。直営店とFC店を戦略的に配分し、1拠点で複数ブランド店舗を展開していることも特徴だ。前期(14年3月期)末の宅配拠点数(ファインダイン事業含む)は直営84拠点とFC287拠点の合計371拠点、ブランド別店舗数は「銀のさら」365店舗および「釜虎」186店舗など、直営159店舗とFC414店舗の合計573店舗である。

 14年2月には、高齢者向け配食サービス「まごころ弁当」を全国展開するシルバーライフと業務提携した。これに伴って宅配弁当「銀のお弁当」の提供商品や営業体制の見直しを進めている。また9月1日には、人気の高い海産物を中心としたネットショッピングサイト「銀のセレクション」をヤフーショッピングに開設した。

 8月14日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月〜6月)の業績(非連結)は、売上高が前年同期比5.0%増の38億89百万円、営業利益が同0.4%増の1億83百万円、経常利益が同3.4%増の1億89百万円、純利益が同7.9%増の1億06百万円だった。

 宅配事業の売上高は同5.1%増の38億84百万円だった。期間限定キャンペーン、計画的なDMの実施、メールマガジンの配信などの施策が奏功し、ファインダインの提携レストラン数増加も寄与した。第1四半期末時点の店舗数は578店舗(直営店163店舗、FC店415店舗)で、拠点数は372拠点(直営店86拠点、FC店286拠点)となった。その他事業の売上高は同33.9%減の4百万円だった。

 8月26日に第2四半期累計(4月〜9月)業績見通しの増額修正を発表した。売上高は80百万円増額して同2.6%増の78億62百万円、営業利益は1億05百万円増額して同7.0%減の3億72百万円、経常利益は97百万円増額して同8.3%減の3億62百万円、そして純利益は85百万円増額して同1.3%減の2億24百万円とした。

 4月の消費増税の影響を見込んでいたが、販売促進活動やメニュー改訂などの施策が奏功して既存店売上高が想定を上回って推移しているため、売上高、利益とも増額した。各利益とも期初計画に対して減益幅が縮小する見込みだ。

 通期の業績(非連結)見通しは前回予想(5月15日公表)を据え置いて、売上高が前期比1.8%増の167億73百万円、営業利益が同12.8%増の10億35百万円、経常利益が同10.3%増の10億30百万円、純利益が同19.1%増の6億円、配当予想は未定としている。

 新規出店および同一拠点内での別ブランド出店による複合化推進、テレビCM・計画的DM・WEB限定キャンペーンによる販促、介護施設などへの販促活動強化、ファインダイン事業における提携レストランの新規獲得や配達効率改善などを推進する。第2四半期累計を増額修正したことで、通期見通しについても増額期待が高まる。

 中期成長戦略として宅配寿司「銀のさら」を核とした拠点数の増加、1拠点で複数ブランド店舗を運営する複合化戦略の推進と出店加速、ビッグデータ分析を活用した新商品・新サービスの開発、宅配代行のファインダイン事業の展開加速とブランド確立、デリバリーネットワーク戦略(BtoC型デリバリープラットフォームの構築)などを掲げている。

 フードデリバリー市場は高齢人口の増加、女性の社会進出による家庭内調理時間の減少、小規模世帯の増加などを背景として拡大基調であり、店舗の立地・面積・設備などの制約を受けにくい優位性も発揮して、中期的に収益拡大基調だろう。

 株価の動き(13年12月公開価格2000円に対して初値3105円、上場来高値14年1月3835円)を見ると、6月戻り高値3590円から利益確定売りで一旦反落したが、7月〜8月の直近安値圏2600円近辺から切り返しの動きを強めている。8月27日には第2四半期累計業績見通しの増額修正を好感して3200円まで戻す場面があり、その後も2800円〜2900円近辺で推移している。中期成長力を再評価する動きだろう。

 9月8日の終値2932円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS129円18銭で算出)は22〜23倍近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS533円48銭で算出)は5.5倍近辺である。日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を回復した。また週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって水準を切り上げている。強基調を確認した形であり、短期調整が一巡して出直りの動きが本格化しそうだ。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:57 | アナリスト銘柄分析