<銘柄ウオッチ>
太洋物産<9941>(JQS)は、2円高の135円と反発して始まり、5月21日につけた年初来安値103円からの底上げの動きを強めている。今年8月12日に今9月期第3四半期(3Q)の2ケタ減益転換業績を発表したが、9月通期業績対比では高利益進捗率を示したことで織り込み済みとして、下げ過ぎ期待の極低位値ごろの割安株買いが再燃している。同社が新ビジネスとして注力中のメキシコ産豚肉で、輸入規制緩和が政府間で検討されていることも、側面支援材料視されている。
■円安による仕入価格上昇が響くが9月通期業績対比では高利益進捗
3Q業績は、売り上げが、前年同期比13.4%増と増収転換し、経常利益が、同53.5%減、純利益が、同58.1%減とそれぞれ減益転換したが、前々同期の赤字からは黒字をキープした。特定分野・アイテムのスペシャリストを任ずる貿易商社として、食料部では、鶏肉が比較的順調な市場価格の維持で取扱数量・売上高とも堅調に推移、牛肉も、外食向けの加工原料の需要が根強く連続増収となり、営業開拓部では、中国向けの産業用車輛の伸び悩みを船舶部品の回復やエンジン・車輛部品の堅調推移、化学品のインド向け輸出などでカバーして42.9%増と増収転換したが、国際価格の上昇や円安などによる仕入価格の上昇、価格転換の遅れなどから減益転換した。
ただ3Q業績は、期初予想の9月通期業績に対して95〜94%の利益進捗率と目安の75%を大きく上回っており、このため9月通期業績は期初予想を据え置き、売り上げ240億円(前期比18.7%増)、経常利益1億2000万円(同54.6%減)、純利益1億4000万円(同58.8%減)と見込んでいる。
■極低位値ごろも株価材料にPERは14倍台と割安放置
株価は、今期第2四半期累計業績の減益転換で年初来安値103円と売られ、今年7月にメキシコを訪問した安倍晋三首相と同国大統領との間でメキシコ産豚肉の輸入規制緩和の検討で合意したことで関連株人気を高めて171円まで底上げ、その後、3Q減益転換業績発表で123円まで再調整したが、3Q業績が9月通期業績対比で高利益進捗率を示したことで織り込み済みとして底値買いが増勢となっている。PERは、14倍台と割安であり、極低位値ごろも材料に一段の戻りを試し、まず7月高値を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)
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2014年10月01日