■貼り合わせSiC基板開発の課題「界面抵抗の低減法」検証、実用化の可能性を実証
加賀電子<8154>(東1)が支援するサイコックス(千代田区・代表取締役加藤光治社長)は、産業技術総合研究所、京都大学が共同開発した「貼り合わせSiC(シリコンカーバイド:炭化珪素)基板技術」(パワー半導体)の成果を9月22日ECSCRM2014(9月21日〜25日までフランス・グルノーブルで開催)で同社八田直記氏が発表した。
同社は昨年のICSCRM2013で、貼り合わせSiC 基板に形成したエピ層の物理的・電気的特性を検証し、単結晶4H−SiC 基板と比較しその結果として、4H−SiC パワーデバイス用代替基板として有望であることを報告した。
前回の報告では、貼り合わせ界面の電気抵抗が高く縦型パワーデバイスのオン抵抗が増加する難点があり実用化上の課題が残っていた。
今回の発表は、この課題について解決方法を検討したもので、発表内容は、物性の異なる材料を接合した場合の「界面現象の解析」および「界面抵抗の低減方法」を検証した結果、貼り合わせSiC 基板をSiC−SBD やMOSFET のような縦型パワーデバイスへ適用することが可能であることを実証したことを報告する内容であった。
■優れた特性:SiC単結晶基板、画期的低コスト製法開発で期待広がる
パワー半導体は、電気の直・交流、周波数の変換、電圧の上下をコントロールするものだが、従来のSiC基板は、材料として採用するには高価過ぎるのが難点であった。
今回、安価で生産できる製法が開発されたことで、この優れた次世代パワー半導体は、高効率、小型化を期待し太陽光発電用パワーコンディショナや自動車用インバータへの適用が進んでおり、電気自動車(EV)や家電製品での省エネ化、コスト低減を実現する画期的な開発として期待されている。
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2014年10月01日