
■保険解約返戻金などの寄与で赤字予想から収支トントンへ
2Q累計業績は、売り上げが期初予想を1200万円上ぶれて9億5200万円(前年同期比42.3%増)と続伸し、営業利益は、200万円下ぶれたものの、経常利益は、300万円上ぶれて期初の赤字転落予想が収支トントン(前年同期は400万円の黒字)となり、純利益も、300万円上ぶれ300万円の赤字(同100万円の黒字)と赤字転換幅を縮小させた。住宅関連事業は、消費税増税の影響で伸び悩んだが、情報セキュリティコンサルティングを主体とするコンサルティング事業では、大規模な個人情報漏えい事件の発生もあり、企業間取引の取引要件に認証取得を求める傾向が強まり、継続的なセミナー開催やWEB戦略を強化、値ごろ感のある支援提案を行って売り上げが計画を上回り、保険解約返戻金や厚生返金脱退損失引当金戻入額を計上したことが利益の上ぶれ着地要因となった。
3月通期業績は期初予想を据え置き、売り上げ19億2300万円(前期比13.6%増)、経常利益2000万円(同17.6%減)、純利益500万円(同66.9%減)と見込んでいる。
なお同社は、繰越欠損金を解消し財務体質を健全化、将来の自己株式取得などの株主還元策を実施するために、資本金・資本準備金を減少させ、剰余金全額を繰越利益剰余金に振り替えることを来年1月開催の臨時株主総会で決議する予定である。また株主と株主価値を共有し、一段の企業価値を向上させることを目的に役員・従業員持株会を設立、12月からの継続的な株式購入により出来高の増加と流動性の向上を図る。
■臨時株主総会を先取りしてダメ押し安値から一段の底上げ
株価は、新規事業分野の総合建築会社を子会社化する積極的なM&Aを評価して年初来高値244円をつけ、今期業績の伸び悩み予想が響いて下値調整、2Q累計業績発表と資本金減資で年初来安値をつけるダメ押しとなり持株会設立とともに下げ過ぎ訂正買いが再燃した。臨時株主総会以降の業績回復を先取りし一段の底上げに進もう。(本紙編集長・浅妻昭治)
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