
■線路延長の約86%をトンネルが占め大口径岩盤掘削機に出番
リニア中央新幹線は、今年10月17日に工事実施計画が認可され、品川・名古屋間を区間とする線路延長285.6キロメートルを総工事費5兆5235億円で建設、2027年の完成を目指している。この線路延長のうち構造物種別は、トンネルが246.6キロメートルと約86%を占め、工事費も、1兆6219億円と車両費などを除いた工事費の40%に達する。このため鉱研工業は、国産初の大口径岩盤掘削機「ビックマンBM−1」を開発し、さらにリニア新幹線沿線の厚木市に工場が立地することなどから関連銘柄の穴株と目されている。
一方、同社の今3月期業績は、2Q累計業績を今年7月、10月と2度の上方修正し、2Q累計業績の再上方修正時には3月通期業績を上方修正した。ボーリング機器関連、工事施工関連とも売り上げが増加し、2Q業績が2回上方修正され、期初の減益予想から増益転換して着地したことで3月通期業績を上方修正した。期初予想より売り上げを3億8000万円、経常利益を1億2000万円、純利益を1億円それぞれ引き上げたもので、純利益は、3億2000万円(前期比21.2%減)と減益転換率を縮小させる。
■リニア新幹線の工事計画申請・認可で再三急伸し再現思惑底流する
株価は、今年8月のリニア新幹線認可申請では880円と急伸し、10月の認可ではストップ高、3月通期業績の上方修正で年初来高値955円まで買われ、25日移動平均線水準での中段固めを続けている。投資採算的には割高だが、再生可能エネルギーの固定価格買取制度で太陽光発電偏重から地熱発電優遇策を舵を切ることも加わって再人気化が予想され、高値奪回にチャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)
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