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2015年01月09日

【アナリスト水田雅展の銘柄診断】エイジアはモミ合い上放れの動き、中期成長力を評価して14年11月の戻り高値試す

 メール配信ソフト大手のエイジア<2352>(東マ)の株価は、安値圏の1000円〜1100円近辺でモミ合う展開だったが、徐々に下値を切り上げてモミ合い上放れの動きを強めている。指標面に割高感はなく、中期成長力を評価して14年11月の戻り高値1360円を試す展開だろう。

 自社開発e−CRMシステム「WEBCAS」シリーズなどのアプリケーション事業を主力として、システム受託開発やマーケティングコンサルティングなどのサービスソリューション事業も展開している。自社開発メール配信ソフト「WEBCAS e−mail」の導入実績は総合通販大手など約1600社以上に達し、国内メール配信パッケージ市場でのシェアは1位である。

 中期成長戦略として「メールアプリケーションソフトのエイジア」から、販売促進・マーケティング支援分野に事業領域を拡大して「eコマースの売上UPソリューションを世界に提供するエイジア」への発展を目指し、クラウドサービス(ASP、SaaS)の強化、新製品・サービス開発の推進、サービスソリューション事業の拡大に取り組んでいる。

 M&A・アライアンス戦略では、12年4月ECサイト構築・運営事業拡大に向けてシステムインテグレータ<3826>と資本・業務提携、12年12月メールマーケティングコンサルティング事業拡大に向けてメールマガジン制作・運用支援のグリーゼと資本・業務提携、13年10月メールマガジン戦略立案・企画・制作・分析サービスのFUCAを連結子会社化、14年1月Webサイトソーシャル化支援サービスのフィードフォース社と業務提携した。

 14年6月にはデータベース作成システム「WEBCAS DB creator」を発売した。メール配信機能とアンケート機能も利用できるオールインワン型のCRMクラウドサービスとして提供する。さらにジェイモードエンタープライズと共同開発した電子レシートメール送信サービス「レシートメール」も発売した。

 また14年12月には、メール配信システムの最新版「WEBCAS e−mail Ver.6.0」、およびe−CRMシステム「WEBCAS」シリーズの新ラインナップとしてSMS(ショートメッセージサービス)配信システム「WEBCAS SMS」の発売を発表している。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月14日公表)は売上高が11億20百万円〜11億80百万円(前期比11.2%増〜17.2%増)、営業利益が2億45百万円〜2億80百万円(同1.1%増〜15.6%増)、経常利益が2億45百万円〜2億80百万円(同2.5%増〜17.2%増)、純利益が1億45百万円〜1億65百万円(同11.0%増〜26.3%増)、配当予想が同1円増配の年間15円(期末一括)としている。

 通期見通しに対する第2四半期累計(4月〜9月)の進捗率は低水準だったが、クラウドサービスの好調、開発部門の効率や生産性の向上、広告宣伝費の抑制などが寄与して経常利益、純利益は期初計画を上回った。

 通期ベースでも、アプリケーション事業では利益率の高いクラウドサービスの2桁増収を見込み、サービスソリューション事業では子会社化したFUCAの通期連結(前期は6ヶ月連結)や「WEBCAS+メルマガ企画・制作」の大型案件も寄与する見込みだ。大型案件の引き合いは増加基調であり、人員増強などの先行投資負担を吸収して好業績が期待される。

 株価の動きを見ると、急伸した11月の戻り高値1360円から反落し、安値圏の1000円〜1100円近辺でモミ合う展開だったが、徐々に下値を切り上げてモミ合い上放れの動きを強めている。

 1月8日の終値1078円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の上限値の連結EPS85円46銭で算出)は12〜13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は1.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS437円29銭で算出)は2.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると、13週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げ、26週移動平均線を突破した。強基調に転換した形だ。指標面に割高感はなく、中期成長力を評価して14年11月の戻り高値1360円を試す展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:33 | アナリスト銘柄分析