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2015年02月03日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アスカネットは今期業績増額の可能性、空中結像AIプレート量産化期待にも変化なく反発のタイミング

 写真加工関連のアスカネット<2438>(東マ)の株価は、1月15日の戻り高値3300円から反落して2月2日の2390円まで調整したが、目先的に売られ過ぎ感を強めている。今期(15年4月期)業績に増額の可能性があり、来期(16年4月期)は「ギフトネットコム」の収益寄与本格化が期待される。空中結像AIプレートの量産化期待にも変化はなく反発のタイミングだろう。なお3月6日に第3四半期累計(5月〜1月)の業績発表を予定している。

 葬儀社・写真館向け遺影写真合成・加工関連のメモリアルデザインサービス事業、写真館・コンシューマー向けオリジナル写真集製作関連のパーソナルパブリッシングサービス事業を主力としている。遺影写真は葬儀関連、写真集はウエディング関連や卒業・入学イベント関連などが主力市場であり、景気変動の影響を受けにくい安定収益源である。

 新規事業の空中結像技術エアリアルイメージング(AI)プレートは、画像映像を表す光を受け、特殊なパネルを通過することによって反対側の空中に映像を結像する新技術である。独自技術を強固にするため特許申請も進め、将来的には自ら立体映像を空中に創出する技術の確立も目指している。

 現状はAIプレート試作品の販売が進み、プレ量産も可能となっているが、低コストと大量生産を可能にする本格量産技術(ファブレス形態で製造して自社ブランドで販売)の確立に取り組んでいる。本格量産開始時期は未定だが、目標としては今期(15年4月期)中に量産技術を確定して本格量産に向けた設備体制等の検討に入りたいとしている。

 14年12月には、ネットを活用して「選べるギフト」を贈る新しいギフトサービスシステム「ギフトネットコム」のサービスを開始した。金額不記載の「オンデマンド・オリジナルカード」を商品交換券として使用する「選べるギフト」に特化したECプラットフォーム(特許申請中)で、ギフトカード市場やカタログギフト市場への浸透を目指している。

 今期(15年4月期)の業績(非連結)見通し(6月10日公表)は売上高が前期比4.6%増の49億84百万円、営業利益が同6.3%減の6億73百万円、経常利益が同6.9%減の6億76百万円、純利益が同2.6%減の4億34百万円としている。配当予想については14年11月1日付の株式4分割を考慮すると実質的に前期と同額の年間8円(期末一括)としている。

 第2四半期累計(5月〜10月)は前年同期比5.1%増収、同1.6%営業増益、同2.0%経常増益、同5.9%最終増益と順調に推移した。通期見通しに対する進捗率は売上高が46.7%、営業利益が41.8%、経常利益が42.2%、純利益が41.5%だが、下期の構成比が高い収益構造を考慮すれば概ね順調な水準だろう。

 通期ベースでは広告宣伝費や研究開発の増加で減益の計画としているが、メモリアルデザインサービス事業、パーソナルパブリッシングサービス事業とも順調に推移する見込みだ。メモリアルデザインサービス事業ではメモリアルビデオなど映像サービス収入も伸長し、パーソナルパブリッシングサービス事業では「ZENレイフラット」や「オンデマウント」も好調である。通期増額の可能性もあるだろう。

 14年12月にサービス開始した「ギフトネットコム」については、今期は売上高として純額手数料収入10百万円を見込むが、広告宣伝費・開発費・人件費などの費用先行で1億10百万円の損失を見込んでいる。来期(16年4月期)には費用先行が一巡して収益寄与本格化が期待される。

 株主優待制度は毎年4月30日現在の株主に対して自社サービス(マイブック)の割引利用券を贈呈している。14年11月1日付株式4分割後100株以上400株未満所有株主に対して1000円割引利用券1枚、400株以上2000株未満所有株主に対して1000円割引利用券2枚、2000株以上所有株主に対して1000円割引利用券3枚を贈呈する。

 株価の動き(14年11月1日付で株式4分割)を見ると、1月15日の戻り高値3300円から反落し、ほぼ一本調子に2月2日の2390円まで調整した。ただし14年12月の安値圏2200円台に接近して売られ過ぎ感を強めている。

 2月2日の終値2393円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS25円92銭で算出)は92倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は0.3%近辺、前期実績PBR(前期実績に株式4分割を考慮したBPS219円87銭で算出)は11倍近辺である。

 週足チャートで見ると再び13週移動平均線と26週移動平均線を割り込んだ。ただし日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%程度に拡大して売られ過ぎ感を強めている。今期業績に増額の可能性があり、来期は「ギフトネットコム」の収益寄与本格化が期待される。空中結像AIプレートの量産化期待にも変化はなく、安値圏から反発のタイミングだろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:10 | アナリスト水田雅展の銘柄分析