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2015年02月05日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エイジアは第3四半期累計業績を嫌気して急反落したが目先の売り一巡、中期成長力を評価して出直

 メール配信ソフト大手のエイジア<2352>(東マ)は1月30日に第3四半期累計(4〜12月)業績を発表した。株価は通期見通しに対する低進捗率が嫌気され、戻り高値圏1200円近辺から2月2日に951円まで急反落する場面があったが、4日は終値で1000円台を回復した。目先的な売りが一巡し、中期成長力を評価して出直り展開だろう。

 自社開発e−CRMシステム「WEBCAS」シリーズなどのアプリケーション事業を主力として、システム受託開発やマーケティングコンサルティングなどのサービスソリューション事業も展開している。自社開発メール配信ソフト「WEBCAS e−mail」の導入実績は総合通販大手など約1600社以上に達し、国内メール配信パッケージ市場でのシェアは1位である。

 中期成長戦略として「メールアプリケーションソフトのエイジア」から、販売促進・マーケティング支援分野に事業領域を拡大して「eコマースの売上UPソリューションを世界に提供するエイジア」への発展を目指し、クラウドサービス(ASP、SaaS)の強化、新製品・サービス開発の推進、サービスソリューション事業の拡大に取り組んでいる。

 M&A・アライアンス戦略では、12年4月ECサイト構築・運営事業拡大に向けてシステムインテグレータ<3826>と資本・業務提携、12年12月メールマーケティングコンサルティング事業拡大に向けてメールマガジン制作・運用支援のグリーゼと資本・業務提携、13年10月メールマガジン戦略立案・企画・制作・分析サービスのFUCAを連結子会社化、14年1月Webサイトソーシャル化支援サービスのフィードフォース社と業務提携した。

 14年6月には、データベース作成システム「WEBCAS DB creator」を発売し、さらにジェイモードエンタープライズと共同開発した電子レシートメール送信サービス「レシートメール」も発売した。

 12月には、メール配信システム最新版「WEBCAS e−mail Ver.6.0」およびe−CRMシステム「WEBCAS」シリーズの新ラインナップとしてSMS(ショートメッセージサービス)配信システム「WEBCAS SMS」を発売した。

 また1月27日には、トヨタ自動車<7203>に提供したメール配信システム「WEBCAS e−mail」の導入事例インタビューを公開した。

 1月30日に発表した今期(15年3月期)第3四半期累計(4〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比4.3%増の7億54百万円だったが、営業利益は同25.6%減の1億19百万円、経常利益は同24.8%減の1億20百万円、純利益は同22.8%減の73百万円で増収減益だった。

 セグメント別売上高を見ると、サービスソリューション事業はFUCAの連結も寄与して同62.2%増の1億22百万円だったが、アプリケーション事業が同2.1%減の6億32百万円と減収だった。主力のアプリケーション事業の減収に伴う売上総利益の減少、そして販管費の増加で各利益とも減益だった。

 なお四半期別に見ると売上高は第1四半期(4〜6月)2億22百万円、第2四半期(7〜9月)2億65百万円、第3四半期(10〜12月)2億67百万円で、営業利益は第1四半期14百万円、第2四半期51百万円、第3四半期54百万円である。

 通期の連結業績見通しは前回予想(5月14日公表)を据え置いて売上高が11億20百万円〜11億80百万円(前期比11.2%増〜17.2%増)、営業利益が2億45百万円〜2億80百万円(同1.1%増〜15.6%増)、経常利益が2億45百万円〜2億80百万円(同2.5%増〜17.2%増)、純利益が1億45百万円〜1億65百万円(同11.0%増〜26.3%増)、そして配当予想が同1円増配の年間15円(期末一括)としている。

 アプリケーション事業では利益率の高いクラウドサービスの拡大を見込み、サービスソリューション事業では子会社化したFUCAの通期連結や「WEBCAS+メルマガ企画・制作」の大型案件も寄与する見込みとしている。

 通期見通し(レンジ下限値)に対する第3四半期累計の進捗率は、売上高が67.3%、営業利益が48.6%、経常利益が49.0%、そして純利益が50.3%と低水準のため下振れに注意が必要だが、大型案件の引き合いは増加基調であり、クラウドサービスの好調、開発部門の効率や生産性の向上なども寄与して中期的に収益拡大が期待される。

 株価の動きを見ると、1000円〜1100円の短期モミ合いから上放れて1月27日に戻り高値1260円まで上伸した。トヨタ自動車の導入事例公開が材料視されたようだ。その後は第3四半期累計業績の低進捗率が嫌気されて2月2日に951円まで急落する場面があった。ただし4日は反発して終値で1000円台を回復した。目先的な売りが一巡したようだ。

 2月4日の終値1002円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の下限値の連結EPS75円07銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は1.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS437円29銭で算出)は2.3倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を一気に割り込んで調整局面だが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が拡大して売られ過ぎ感も強めている。目先的な売りが一巡し、中期成長力を評価して出直り展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:15 | アナリスト水田雅展の銘柄分析