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2015年05月25日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】生化学工業は16年3月期は最終減益予想だが悪材料出尽くし感、強基調に回帰して高値圏目指す

 生化学工業<4548>(東1)は関節機能改善剤アルツが主力の製薬会社である。株価は15日の直近安値1900円から切り返しの動きを強め、21日には2118円まで上伸する場面があった。16年3月期は営業微増益にとどまり最終減益の予想だが、悪材料出尽くし感で調整が一巡したようだ。強基調に回帰して高値圏を目指す展開だろう。

 国内医薬品(関節機能改善剤アルツ、白内障手術補助剤オペガン、内視鏡用粘膜下注入材ムコアップ)、海外医薬品(米国向け関節機能改善剤スパルツ、米国向け単回投与関節機能改善剤ジェル・ワン、中国向けアルツ)、医薬品原体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸)、およびLAL事業(エンドトキシン測定用試薬関連)を展開している。高齢者人口増加を背景に関節機能改善剤の需要拡大が期待される。

 09年3月策定の「生化学工業10年ビジョン」に基づいて、研究開発は糖質科学分野に焦点を絞っている。開発中の新薬としては、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI−6603(コンドリアーゼ)、アルツの腱・靭帯付着部症の国内適応症追加SI−657、変形性膝関節症改善剤SI−613、ドライアイ治療剤SI−614、関節リウマチ治療剤SI−615(導入品)などがある。

 SI−6603は14年1月に国内で製造販売承認申請し、米国では第V相臨床試験を実施中である。SI−657の国内第V相臨床試験は14年10月に完了した。SI−613は国内第U相臨床試験を実施中である。SI−614は14年5月に米国で第U・V相臨床試験を開始した。SI−615は国内第T相臨床試験を実施中である。

 生産面では15年1月にアルツディスポ新製剤設備(高萩工場第5製剤棟)が稼働した。第5製剤棟および第4製剤棟にアルツディスポの生産を集約することで効率化を推進するとともに、アルツディスポの中長期的な安定供給を図る。

 海外は重点地域の米国での事業展開加速に向けて、14年10月の米国駐在員事務所開設に続き、15年5月に北米戦略室を新設した。製品認知度向上策や製品価値向上策で販促を強化し、LAL事業の拡大も推進する。

 5月12日に発表した前期(15年3月期)連結業績は、売上高が前々期比0.3%減の295億22百万円、営業利益が同51.7%減の23億83百万円、経常利益が同31.8%減の40億08百万円、純利益が同23.1%減の36億50百万円だった。平均為替レートは1米ドル=109円94銭で同9円70銭の円安だった。

 配当予想は前々期と同額の年間26円(第2四半期末13円、期末13円)とした。配当性向は40.5%となる。なおROEは同2.1ポイント低下して5.4%、自己資本比率は同0.8ポイント低下して87.0%となった。

 国内での薬価引き下げの影響、前期高水準だった米国向けスパルツ出荷の反動減、新生産設備稼働に伴う減価償却費の増加、開発テーマ進展に伴う研究開発費の増加などで減収減益だった。

 セグメント別売上高は、医薬品事業が同2.7%減の246億46百万円(国内医薬品が同6.1%減の168億98百万円、海外医薬品が同10.9%増の63億39百万円、医薬品原体が同13.6%減の14億07百万円)、LAL事業が同14.2%増の48億76百万円だった。

 計画との比較で見ると、売上高はドル高・円安効果も寄与して計画をやや上回ったが、営業利益は米国SI−6603の進展などで研究開発費(前々期比23.7%増の81億46百万円)が想定以上に増加したため計画を下回った。純利益は受取ロイヤリティーが下振れたが、投資有価証券売却益、円安に伴う外貨建て資産為替評価益増加、高萩工場の優遇税制に関連した繰延税金資産計上、米国子会社有償減資に伴う税率低下が寄与して計画を上回った。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月〜6月)75億77百万円、第2四半期(7月〜9月)66億70百万円、第3四半期(10月〜12月)78億28百万円、第4四半期(1月〜3月)74億47百万円、営業利益は第1四半期11億87百万円、第2四半期3億77百万円、第3四半期7億09百万円、第4四半期1億10百万円だった。

 今期(16年3月期)の連結業績予想(5月12日公表)は、売上高が前期比3.8%増の306億50百万円、営業利益が同0.7%増の24億円、経常利益が同5.2%減の38億円、純利益が同20.6%減の29億円、配当予想が前期と同額の年間26円(第2四半期末13円、期末13円)としている。

 想定為替レートは1米ドル=118円で、為替感応度(1円変動による影響額)は売上高で約95百万円、営業利益で約35百万円としている。研究開発費は同3.6%減の78億50百万円の計画だ。

 セグメント別売上高の計画は、医薬品事業が同3.1%増の254億円(国内医薬品が同0.3%増の169億50百万円、海外医薬品が同12.0%増の71億円、医薬品原体が同4.1%減の13億50百万円)、LAL事業が同7.7%増の52億50百万円としている。

 国内は厳しい市場環境が継続して前期並みだが、米国向けジェル・ワンと中国向けの販売数量増加、および円安効果などで増収見込みだ。営業利益については、研究開発費が減少するが、新生産設備稼働に伴う減価償却費の増加、ジェル・ワンなどの販売関連費用の増加で前期並みとしている。純利益については、受取ロイヤリティーが増加するが、為替評価益の減少、税負担の正常化などで減益見込みとしている。

 株価の動きを見ると、2月高値2396円から反落して調整局面だったが、5月15日の直近安値1900円から切り返しの動きを強めている。21日には2118円まで上伸する場面があった。16年3月期は営業微増益で最終減益の予想だが、悪材料出尽くし感で調整が一巡したようだ。

 5月22日の終値2077円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円05銭で算出)は41倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1239円51銭で算出)は1.7倍近辺である。

 週足チャートで見ると一旦割り込んだ13週移動平均線と26週移動平均線を素早く回復する動きだ。強基調に回帰して高値圏を目指す展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:04 | アナリスト水田雅展の銘柄分析