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2015年06月22日

【アナリスト水田雅展の銘柄診断】ティー・ワイ・オーは第3四半期累計は増収増益、15年7月期業績に増額余地

 ティー・ワイ・オー<4358>(東1)はTV−CM制作の大手である。10日発表した第3四半期累計(8月〜4月)業績は増収増益だった。株価は4月の年初来高値216円後の上げ一服局面だが、高値圏で堅調に推移して自律調整一巡感も強めている。指標面に割高感はなく、15年7月期連結業績の増額余地を評価して上値を試す展開だろう。

 広告事業(広告代理店向けのTV−CM企画・制作およびポスト・プロダクション業務、広告主向けWEB広告およびプロモーションメディア広告の企画・制作、クロスメディア広告業務)、映像関連事業(アニメーションおよびミュージックビデオの企画・制作)を展開している。

 15年3月には民事再生手続き中のスカイマークに対して、ブランド再生に関する業務支援を行うことが正式決定した。投融資は行わず、スカイマークのブランド再生に必要であると判断される領域のクリエイター、関連スタッフ、ノウハウなどを無償で提供する。スカイマークの再生後は広告受注に繋がると期待される。

 15年3月に海外事業統括管理会社としてシンガポールにTYO−ASIAを設立し、15年4月にインドネシアの広告会社The First Editionの代表Uli氏と、合弁会社PT TYO FIRST EDITION設立で合意(15年7月設立予定)した。アジアにおける戦略的M&Aの第一弾としてThe First Editionの事業を合弁会社に順次継承していく予定で、インドネシアにおける日系企業との取引拡大も目指すとしている。

 また国内でも事業成長を加速させるM&Aを検討しているようだ。PRやセールスプロモーションをはじめとした一定規模以上の企業を対象に、業務提携や資本提携も含めて手法を柔軟に検討する。

 6月10日に発表した今期(15年7月期)第3四半期累計(8月〜4月)の連結業績は売上高が前年同期比1.7増の195億07百万円、営業利益が同11.0%増の13億86百万円、経常利益が同27.7%増の13億59百万円、純利益が同2.1倍の8億63百万円だった。

 受注が好調に推移し、利益面では増収効果、収益管理徹底や人員最適配置などの効果で売上総利益率が同0.4ポイント改善し、販管費で前期計上した上場市場変更費用・株式売出し関連費用などの一巡も寄与して2桁増益だった。純利益は特別損益の改善も寄与した。

 セグメント別に見ると、広告事業は売上高が同1.0%増の184億17百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同3.9%増の25億75百万円だった。受注が前期を上回る水準で推移し、広告主直接取引の受注規模拡大も寄与した。映像関連事業は売上高が同16.4%増の10億90百万円、営業利益が同9.8%増の1億05百万円だった。高利益率のライブ映像・演出映像の受注増加、アニメ制作の案件単価上昇が寄与した。

 なお四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(8月〜10月)52億99百万円、第2四半期(11月〜1月)72億97百万円、第3四半期(2月〜4月)69億11百万円、営業利益は第1四半期3億38百万円、第2四半期3億83百万円、第3四半期6億65百万円と拡大基調である。

 通期の連結業績予想は前回予想(9月11日公表)を据え置いて売上高が前期比7.3%増の285億円、営業利益が同8.0%増の18億50百万円、経常利益が同12.6%増の17億円、純利益が同50.9%増の9億円としている。なお14年9月に連結子会社TYOアニメーションズに対する債権放棄を発表したが、過年度において全額引当済みのため今期業績に与える影響は軽微としている。

 配当予想は同2円減配の年間4円(期末一括)としている。ただし前期の年間6円には上場市場変更記念配当3円を含んでいるため、普通配当ベースでは1円増配となる。また今期予想配当性向は26.9%となる。

 受注は電気・情報通信、衣料、自動車、飲料関連を中心に好調を持続している。広告代理店経由の大型案件、大口広告主との直接取引案件とも増加基調であり、映像関連事業では高利益率のライブ映像案件が拡大基調のようだ。

 通期ベースでも広告事業の好調が牽引し、売上原価管理の徹底も寄与して売上総利益率が上昇し、特別損失の一巡も寄与する。通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が68.5%、営業利益が74.9%、経常利益が80.0%、純利益が95.9%である。広告主直接取引案件が下期に集中していることを考慮すれば通期業績の会社予想に増額余地がありそうだ。

 中期経営計画では目標数値として17年7月期売上高400億円、営業利益27億円を掲げ、株主還元として配当性向25%以上目標と株主優待の継続実施の方針を示している。

 広告市場は拡大基調であり、国内TV−CM制作業界では当社を含む大手制作3社による寡占化傾向を強めている。国内景気回復や20年東京夏季五輪開催も追い風となるため、事業環境は中期的に良好だろう。海外展開も寄与して中期的に収益拡大基調が期待される。

 なお14年10月に株主優待制度の拡充を発表している。15年7月期については、通常株主優待であるクオカード贈呈(毎年1月31日現在500株以上保有株主に対してクオカード1000円相当、2500株以上保有株主に対してクオカード3000円相当、5000株以上保有株主に対してクオカード5000円相当を贈呈)に加えて、当社オリジナル株主優待を継続する。

 オリジナル株主優待の内容(14年12月発表)は、15年1月31日現在500株以上保有株主を対象として、応募者の中から抽選で3名にオリジナルミュージックビデオ「株主様!あなたがアーティスト」を制作して贈呈した。

 株価の動きを見ると、4月の年初来高値216円後は上げ一服の形だが、概ね高値圏の200円台で堅調に推移して、自律調整一巡感も強めている。

 6月19日の終値202円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS14円87銭で算出)は13〜14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間4円で算出)は2.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS77円18銭で算出)は2.6倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線を挟んでモミ合う形だが、週足チャートで見ると13週移動平均線が追いついて動意のタイミングが接近しているようだ。指標面に割高感はなく、15年7月期連結業績の増額余地を評価して上値を試す展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:37 | アナリスト水田雅展の銘柄分析