ティー・ワイ・オー<4358>(東1)は、前日日変わらず199円で寄り付いたあと、1円安と下ぶれるなど前日終値水準でもみ合っている。4月8日につけた年初来高値216円を前にして売り買いが交錯している。ただ同社は、前2015年7月期業績を目下、集計・精査中で、9月11日に発表予定であり、これを先取り、中期経営計画通りに次期2016年7月期業績が大きく続伸するとの期待から低位値ごろの割安株買いが再燃する展開も想定される。同計画では連結配当性向25%以上を目標としており、連続の株主還元策についても思惑を高めそうだ。
■2018年7月期売上高500円の達成に向け経営施策は前倒しペース
同社の「グループ中期経営計画」は、「次世代のクリエイティブ・エージェンシーを目指す」との経営ビジョンに基づき競争力を強化し、良好な経営環境もあって、数値計画、経営施策とも計画を上回るペースで推移しており、集計中の前2015年7月期業績は、売り上げ285億円(前々期比7.3%増)、営業利益18億5000万円(同8.0%増)、経常利益17億円(同12.6%増)、純利益9億円(同51.0%増)と見込まれていた。配当も、同計画で連結配当性向25%以上を目標とする株主還元政策に沿って、今年7月21日に期初予想の4円を5円に引き上げることを発表、市場変更記念配当3円を含めた前々期の6円配当から普通配当を実質増配をした。
続く今2016年7月期業績は、中期経営計画では売り上げ320億円、営業利益21億5000万円を目標としている。経営施策では、成長戦略の広告主との直接取引を躍進させる一方、広告代理店との取引を継続強化、海外戦略も、昨年8月にアジア戦略本部を新設して拡大を図り、今2016年7月期中にはM&Aの実施、さらにバランスシート施策では、借入金を過去約6年間で110億円削減、すでに2014年7月期に実質無借金となったことなどが要因となる。同計画は、続く2017年7月期の業績目標を売り上げ400億円、営業利益27億円と設定、2018年7月期の売り上げ500億円の目標達成に向けて業績成長策を続ける。9月11日の決算発表で前期業績がどのように着地し、今期業績がどのような予想数値となるか、株主還元策の動向とともに注目される。
■PER13倍台の割安修正で年初高値抜けから2007年9月高値奪回を目指す
株価は、前2015年7月期第2四半期累計業績が、2ケタ増益で着地したことを手掛かりに年初来高値216円をつけて200円台を固め、配当権利落ち後安値198円から再度、高値奪回を目指す展開となっている。PERは、前期ベースで13倍台と割安で値ごろ妙味もあり、高値抜けから2007年9月高値290円が次の上値フシとして意識されよう。(本紙編集長・浅妻昭治)
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2015年08月07日
【編集長の視点】ティー・ワイ・オーはもみ合いも決算発表を前に積極的な中期経営計画を先取り低位割安株買いが再燃余地
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