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2015年12月19日

Jトラスト:「国内から海外へ」新たなステージへ進化

■銀行業への転換〜評価高い、投資家への積極的情報開示

 東南アジアをベースに銀行業を中心にした金融業を展開するホールディングカンパニーのJトラスト<8508>(東2)は、17日の取引終了後、発行済み株式総数の5.27%に相当する625万株の普通株式を12月29日付で消却すると発表、株式価値の向上策が好感され、翌18日(金)1053円(28円高)をつけるなど出直リを強める相場となった。

 同社は、投資家向け情報の提供に注力し注目されている。先月中旬には、同社初となる海外ロードショー(海外機関投資家訪問)をロンドンで実施、10社を訪問するなど精力的な動きが注目される。

 国内ではアパートローンの保証事業に注力する一方、事業展開の主力をアジアに移すなど、「国内から海外へ」、「ノンバンクから銀行へ」と、経営戦略を大きく転換しているが、今回のロードショーは千葉信育代表取締役専務を筆頭に、同社のビジネスモデルなどを説明し、理解を深めた模様だ。

■グループの成長性、投資家へ積極的メッセージを発信

 同社は、国内の消費者ローン債権、事業の買収、消費者ローンのサービサー事業中心に進めてきた事業内容を、韓国、インドネシアでの銀行業務展開へと急速な転換を進め、今後は金融、不動産を中心とする企業へと変身を図っている。

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 この事業改革スピードは極めて速く、内外の投資家にとっては、改革内容やビジネスモデルが呑み込めないうちに、第3四半期時点での利益足踏み予想にマーケットが戸惑いが見られるが、こうした状況を踏まえ同社は、マーケットとの対話を重視し、経営方針、施策等、同社グループの成長性を積極的なメッセージとして発信することに注力している。

 このような積極的な情報開示もあり、クレディ・スイス社のリサーチアナリスト山中威人氏による同社カバレッジも開始され、アウトパフォーム(買い)目標株価1,500円のレイティングがついた模様。

http://www.jt-corp.co.jp/ir/analyst_coverage.php

 その他にも、日興アイ・アールが12月10日に発表した「2015年度全上場企業ホームページ充実度ランキング」で、総合ポイント84.7を獲得し、総合ランキングのベスト19位(全上場企業3,622社中)に選ばれ、昨年2014年度の38位からの躍進である。また、Jトラストグループで急成長を実現しているJT親愛貯蓄銀行が、韓国のグローバル総合経済誌「アジュ経済」が主催する「アジュ経済金融証券大賞」で、金融証券大賞を受賞したニュースなど、同社の変身ぶりが窺える。

■成長と拡大が約束される期待のビジネスモデル

 5月25日に発表した中期経営計画(16/3月期から8年3月期)では、売上げ高1,421億円、今後3年間の平均売上高伸び率は31%、営業利益217億円(52億円損失)を掲げ、2020年3月期売上高2,000億円、営業利益350億円を目指す。

 具体戦略としては、国内は、アパートローンの保証にウエイトを置く日本保証を中心に安定的な利益を確保する。韓国では、事業が順調に進んでおり、JT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行、JTキャピタル、TA資産管理貸付を中核として業務展開する。貯蓄銀行は、預金を取り扱うため資金調達コストが低いメリットを生かとともに、将来的には地方銀行への転換を目指す。キャピタル会社は、銀行に次ぎ信用力の高い客層を対象として基盤拡大を進める。

 特に、調達コストの低いメリットを生かす貯蓄銀行は消費者ローンキャピタルは住宅ローン、リースにそれぞれ注力し、TA資産管理貸付でサービサー事業に取り組む。

 インドネシアでは、国有化されていたムティアラ銀行を99%の株式を取得、現在は99.997%を取得、JTトラストインドネシア銀行(商業銀行)として展開している。銀行4分類の2分類にあるがコア資本30兆ルピア以上に資本増強できた段階で、すべての外貨建て業務、国外への支店開設できる4分類への格上げも視野となる。

※「2015年度全上場企業ホームページ充実度ランキング」
 同ランキングは2003年度から実施され本年度は13回目で、全上場企業3,622社を対象に、「分かりやすさ」「使いやすさ」「情報の多さ」の3視点で設定した169の評価項目で調査した結果をランキングしている。

http://www.jt-corp.co.jp/jp/publicity_index/2015/12/11/8484/?t=ji

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