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2016年03月02日

【アナリスト水田雅展の銘柄診断】物語コーポレーションの16年6月期通期業績予想に増額余地、15年12月の上場来高値試す

 物語コーポレーション<3097>(東1)は焼肉店やラーメン店などの飲食チェーンを全国展開している。16年6月期は期初計画以上の新規出店となるため通期業績予想を据え置いているが、既存店売上が好調で第2四半期累計は大幅増収増益だった。通期会社予想に総額余地がありそうだ。株価は地合い悪化の影響を受ける場面があったが、素早く切り返して戻り高値圏だ。15年12月の上場来高値を試す展開だろう。

■中部圏と関東圏を中心に焼肉店やラーメン店などをチェーン展開

 中部圏と関東圏を中心に飲食チェーンを直営とFCで全国展開している。郊外型立地を基本として、業態別には「焼肉きんぐ」などの焼肉部門、「丸源ラーメン」などのラーメン部門、「お好み焼き本舗」のお好み焼部門、寿司・しゃぶしゃぶ「ゆず庵」などの専門店部門を展開している。「焼肉きんぐ」は焼肉テーブルバイキング市場のトップブランドが特徴である。

 12年10月には中国・上海に「鍋源(GUO YUAN)」をオープンして海外初出店した。15年4月には国内で当社初の繁華街型店舗となるプロトタイプ焼肉店「熟成焼肉 肉源」1号店を東京・赤坂にオープンした。また新業態として繁華街小型タイプのホルモン専門店「源の屋」を新規出店(16年2月)する。

 15年12月末時点の店舗数は、全業態の合計が350店舗(直営国内直営180店舗、FC166店舗、海外4店舗)である。業態別には、焼肉部門が165店舗(直営103店舗、FC62店舗)、ラーメン部門が113店舗(直営34店舗、FC79店舗)、お好み焼部門が43店舗(直営21店舗、FC22店舗)、専門店部門が25店舗(直営22店舗、FC3店舗)、その他(海外)部門が4店舗(中国直営4店舗)である。

■中期経営計画で17年6月期442店舗目標

 中期経営計画では、物語的大家族主義などピープルビジネスとしての「レインボー企業」を目指し、成長基盤確立に向けて優秀な人財の育成・確保、新業態開発、FC支援体制充実などに取り組んでいる。

 経営目標値には、17年6月期売上高470億31百万円、経常利益38億01百万円、店舗数442店舗(直営244店舗、FC198店舗)を掲げている。

 重点戦略としては、焼肉部門では「焼肉きんぐ」ブランドの浸透、美味しさとプレミアム感による顧客満足度向上、ラーメン部門ではサイドメニューの強化、「丸源ラーメン」ブランド化に向けた新たなフォーマットの構築、お好み焼部門では熟成リブロースステーキ「塊」による集客力向上、「お好み焼き屋」コンセプトの確立、専門店部門では寿司・しゃぶしゃぶ「ゆず庵」多店舗フォーマット化の推進、中国で展開する「鍋源」の新フォーマットでの出店などに取り組んでいる。

■15年6月期の既存店売上は各業態とも好調推移

 15年6月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(7月〜9月)80億10百万円、第2四半期(10月〜12月)78億68百万円、第3四半期(1月〜3月)87億25百万円、第4四半期(4月〜6月)88億29百万円で、営業利益は第1四半期5億36百万円、第2四半期2億19百万円、第3四半期5億55百万円、第4四半期6億49百万円だった。

 既存店売上高(国内直営)は103.3%だった。業態別には焼肉102.5%、ラーメン105.7%、お好み焼104.6%、専門店103.7%と、いずれも好調に推移した。また売上総利益率は66.0%、販管費比率は60.1%、ROEは11.9%、自己資本比率は54.2%、配当性向は25.2%だった。

■16年6月期第2四半期累計は大幅増収増益、既存店売上は全業態好調

 今期(16年6月期)第2四半期累計(7月〜12月)連結業績は、売上高が前年同期比18.0%増の187億40百万円、営業利益が同50.1%増の11億34百万円、経常利益が同29.3%増の12億92百万円、純利益が同31.8%増の6億円だった。

 既存店売上が全業態とも好調に推移し、積極的な新規出店、不採算店の閉店、全社的な経費削減策、連結子会社である中国の物語(上海)企業管理有限公司における収益改善などで、期初計画を上回る大幅増収増益(2月1日に増額修正)だった。

 売上総利益率は65.5%で同1.0ポイント低下、販管費比率は59.4%で同2.4ポイント低下した。また営業外では為替差損益が悪化(前期は差益76百万円計上、今期は差損43百万円計上)した。特別損失では減損損失64百万円、店舗閉鎖損失79百万円、役員退職慰労金54百万円を計上したが、一方で前期計上のシステム開発中止に伴う損失1億01百万円が一巡した。

 既存店売上高(国内直営店)は全業態合計で103.1%と好調だった。業態別には焼肉が102.3%、ラーメンが104.6%、お好み焼が104.9%、専門店が105.2%といずれも好調に推移した。新規出店は合計24店舗(国内直営14店舗、FC9店舗、海外1店舗)、閉店は合計7店舗(国内直営2店舗、FC3店舗、海外2店舗)で、15年12月末チェーン全業態店舗数は合計350店舗(国内直営180店舗、FC166店舗、海外4店舗)となった。

 部門別売上高を見ると、焼肉が同18.7%増の109億24百万円、ラーメンが同3.4%増の23億40百万円、お好み焼きが同9.1%増の12億65百万円、専門店が同36.6%増の22億31百万円と好調に推移した。FC(ロイヤルティ収入など)は同15.5%増の14億67百万円、その他(連結子会社が運営する飲食店舗含む)は同43.5%増の5億11百万円だった。

 なお四半期別の業績推移を見ると、売上高は第1四半期(7月〜9月)95億01百万円、第2四半期(10月〜12月)92億39百万円、営業利益は第1四半期6億92百万円、第2四半期4億42百万円だった。

■16年6月期通期据え置きだが増額余地、既存店売上が好調

 今期(16年6月期)通期の連結業績予想は、前回予想(8月10日公表)を据え置いて売上高が前期比16.0%増の387億86百万円、営業利益が同32.1%増の25億90百万円、経常利益が同22.5%増の29億50百万円、純利益が同14.2%増の14億36百万円としている。配当予想(8月10日公表)は同2円増配の年間55円(第2四半期末25円、期末30円)で予想配当性向は23.0%となる。

 11期連続増収増益で、新規上場以来8期連続増配の計画である。食肉価格上昇による国内既存店の売上原価率上昇、パート・アルバイト採用難に伴う人件費上昇、既存店リニューアル費用の増加、店舗メンテナンス費用の増加などを、新規出店効果、既存店増収効果、中国の連結子会社の収益改善効果などで吸収する。なお特別損失に固定資産除却損3億04百万円の計上を予定している。

 新規出店は42店舗(国内直営23店舗、FC19店舗)で、国内直営店の既存店売上高は全業態合計101.3%(焼肉100.3%、ラーメン102.2%、お好み焼105.0%、専門店104.6%)の計画としている。売上総利益率は同横ばいの65.9%、販管費比率は同0.8ポイント低下の59.2%を想定している。

 なお新規出店については期初計画42店舗に対して45店舗程度となるようだ。閉店については通期で5店舗の見通しとしている。また新業態として繁華街小型タイプのホルモン専門店「源の屋」を新規出店(16年2月)する。

 部門別売上高の計画は、焼肉が同14.5%増の223億21百万円、ラーメンが同4.3%増の46億84百万円、お好み焼が同3.2%増の25億62百万円、専門店が同48.8%増の53億39百万円、FCが同11.6%増の29億56百万円、その他が同24.4%増の9億22百万円としている。

 月次売上動向(国内直営店、前年比速報値)を見ると、16年1月は全業態全店が116.4%、既存店が101.4%(焼肉99.7%、ラーメン105.2%、お好み焼101.0%、専門店106.4%)だった。既存店は2ヶ月連続の前年比プラスと好調に推移している。

 15年7月〜16年1月累計では、全業態全店117.4%、既存店102.8%(焼肉が101.9%、ラーメンが104.7%、お好み焼が104.2%、専門店が105.5%)である。既存店は計画を上回る水準で推移している。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は、売上高が48.3%、営業利益が43.8%、経常利益が43.8%、純利益が41.8%である。期初計画以上の新規出店となって開業経費が想定以上に増加する見通しであることなどを考慮して通期業績予想を据え置いたが、期初時点で下期偏重の計画であり、既存店売上が計画を上回るペースで好調に推移していることも考慮すれば、通期業績の会社予想に増額余地があるだろう。

■株主優待制度は6月末と12月末の年2回実施

 株主優待制度については年2回、毎年6月末および12月末時点で1単元(100株)以上所有株主に対して実施している。

 優待内容は100株以上所有株主に対してお食事ご優待券2500円相当またはお米2.5kg、300株以上所有株主に対してお食事ご優待券5000円相当またはお米5.0kg、600株以上所有株主に対してお食事ご優待券1万円相当またはお米10.0kg、900株以上所有株主に対してお食事ご優待券1万5000円相当またはお米15.0kgを贈呈する。

■株価は調整一巡して戻り高値圏、15年12月の上場来高値試す

 株価の動きを見ると、地合い悪化の影響を受けて2月12日に4160円まで調整する場面があったが、素早く切り返して2月29日には戻り高値となる5470円まで上伸した。好業績を評価する流れに変化はなく、調整が一巡して高値を目指す展開だ。

 3月1日の終値5290円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS239円60銭で算出)は22倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間55円で算出)は1.0%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1751円18銭で算出)は3.0倍近辺である。なお時価総額は約317億円である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、そして週足チャートで見ると26週移動平均線に続いて13週移動平均線も回復した。調整が一巡して15年12月の上場来高値5980円を試す展開だろう。


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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:44 | アナリスト水田雅展の銘柄分析