双信電機<6938>(東1)
PER14倍、PBR1倍
今期70周年で増配など1000円以下は買い余地大きい
双信電機<6938>(東1)は、マイカ(雲母)コンデンサの製造販売からスタート、今年12月で創業70年の歴史がある。家庭用電気製品から宇宙開発にいたるまでの幅広い分野において、各種フィルタやコンデンサなど、独自の技術に基いた特徴ある電子部品を提供してきた。
現在の事業分野は大きく分けて次の4つ。カッコ内数字は07年3月期での売上構成比。
(1)情報通信端末市場(19%)=携帯電話・無線LAN・ブルートゥースなどの情報通信端末に使用される積層誘導体フィルタなどセラミック多層製品の製造販売。(※ブルートゥースは、短い距離での情報機器接続に使われる短距離無線通信技術)
(2)情報通信インフラ市場(23%)=光伝送・ADSL・無線伝送装置及び第三世代携帯電話基地局に使用されるLCフィルタ・EMIフィルタ・カプラ・バラン・コンデンサの製造販売。(※フィルタ(濾波器)は信号を周波数によって選別する。LC型は部品数が少ない特徴がある。EMIフィルタは電子機器から発生するノイズを防ぐ。カプラは光りや高周波信号をまとめたり分配する機器)
(3)オーディオ・放送機器(16%)=地上デジタル放送機器・業務用放送映像機器・CATV・MP3などに使用されるLCフィルタ及びコンデンサの製造販売及びPDF(プラズメディスプレイ)の組立受託。(※MP3は、パソコンで手軽に音楽を楽しむための技術)
(4)一般産業機器(42%)=半導体製造装置・医療機器・鉄道信号・電気計測・エレベータ・空調・自動車・工作機械などの各種装置に使用されるコンデンサ・LCフィルタ・EMIフィルタ・厚幕印刷基板の製造販売。
これら製品の主要取引先は日立製作、デンソー、日本電気、ソニー、三菱電機、東芝、シャープ、松下など。海外ではモトローラ、シーメンスなど。情報通信分野での積層誘電フィルタ、産業分野でのEMIフィルタ、マイカコンデンサなど国内シェア1位の製品を数多く有している。
今後は、ユビキタスネットワーク時代の中核となる携帯電話、無線LAN、ブルートゥースなどのマーケットに的を絞った展開をはかっていく。
●中期売上200億円、経常利益25億円目標
07年3月期の連結業績は売上高14.3%増の147億6500万円、営業利益37.2%増の15億8700万円と好調で、1円増配して年11円配当とした。配当性向はなお16.9%と低い。
にもかかわらず、株価は今年春に1500円のモミ合いを下放れたのは、第4・四半期に入って、積層誘電体フィルタが在庫調整の影響を受けたことなどにより、予想していた経常利益20億円を下方修正したためだ。実際には前期35.5%増の16億6500万円と好調だったが、期待が大きかった分、反動安につながった。
営業利益も9.0%増の17億3000万円の見通し。営業利益率11.5%へさらに向上する。配当は記念で2円以上の増配が見込める。中期目標で売上高200億円、経常利益25億円へ。
株価は5月に869円まで下げたが、月足で陰線が5本連続し底打ち。今後、改めて、業績の好調を評価して1500円奪回へ向けて戻すとみていい。
買い目標=950円、 売り目標=1450円
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