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2017年10月04日

キムラユニティーは徐々に水準切り上げ、18年3月期最高益更新予想で低PBRも見直し

 キムラユニティー<9368>(東1)はトヨタ自動車向け部品包装が主力の総合物流サービス企業である。物流請負のNLS事業が成長し、北米や中国の収益拡大も進展している。18年3月期2桁増益で過去最高益更新予想である。株価はモミ合い展開だが徐々に水準を切り上げている。低PBRも見直して上放れが期待される。

■トヨタ向け部品包装が主力の総合物流サービス企業

 トヨタ自動車<7203>の補修部品・KD部品の包装・物流、および一般物流請負のNLS(ニューロジスティクスサービス)を主力とする総合物流サービス企業である。自動車販売・リース・整備などの自動車サービス事業、物流分野における情報サービス事業、派遣・アウトソーシングなどの人材サービス事業、太陽光発電による売電事業なども展開している。

 17年3月期セグメント別売上構成比(連結調整前)は物流サービス事業が66%(うちトヨタ自動車16%、トヨタグループ24%、NLS20%)で、自動車サービス事業が31%、情報サービス事業+人材サービス事業+その他が4%だった。海外はトヨタ自動車の海外生産拡大に合わせて米国、メキシコ、ブラジル、中国、タイに拠点展開している。

 17年9月には、スマートフォンを活用した安全運転の推進と企業のコンプライアンスを推進する法人向けクラウド型車両管理システム「くるまぷり」を開発し、販売開始した。

 中期重点強化事業としては深トヨタグループ事業、NLS事業、海外事業の売上拡大を目指している。中国では自動車保有台数の増加に伴い、自動車アフターマーケットにおける補修部品需要の拡大基調が予想される。

■18年3月期は2桁増益で過去最高益更新予想

 今期(18年3月期)連結業績予想(4月27日公表)は売上高が前期(17年3月期)比4.3%増の490億円、営業利益が22.7%増の21億円、経常利益が12.1%増の22億円、純利益が24.7%増の13億円としている。配当予想は前期と同額の年間27円(第2四半期末13円、期末14円)としている。予想配当性向は25.1%となる。

 第1四半期(4〜6月)連結業績は売上高が前年同期比0.1%増収、営業利益が21.8%減益、経常利益が20.1%増益、純利益が25.0%増益だった。物流サービス事業で包装分野における主要顧客からの受注量が減少したが、自動車サービス業でリース車両契約台数が増加した。利益面では、自動車サービス業が車両整備外注費の増加で原価率が悪化し、全体としても営業減益だった。ただし営業外での為替差損の減少で経常増益、最終増益だった。

 通期では、物流サービス事業は国内外での拡販を見込み、自動車サービス事業はリース契約台数・メンテナンス契約台数の増加を見込んでいる。のれん償却費の圧縮や継続的な原価改善活動も寄与して2桁増益予想である。売上高、各利益とも過去最高更新の見込みである。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.6%、営業利益12.3%、経常利益14.6%、純利益11.9%である。低水準の形だが期初時点で下期偏重の計画であり、通期ベースでは好業績が期待される。

■株主優待は3月末と9月末の年2回実施

 株主優待制度は毎年3月31日現在および9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、保有株数に応じて「お米券」を贈呈している。さらに500株以上を継続2年以上保有している株主に対しては、保有株数に応じて長期優待が上乗せされる。

■株価は徐々に水準切り上げ、低PBRも見直して上放れ期待

 株価は1100円台でモミ合う展開だが、徐々に水準を切り上げている。9月25日には1205円まで上伸する場面があった。

 10月3日の終値1184円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS107円72銭で算出)は11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間27円で算出)は2.3%近辺、そして前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2104円19銭で算出)は0.6倍近辺である。時価総額は約143億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。そして26週移動平均線も上向きに転じてきた。低PBRも見直してモミ合い上放れの展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:18 | アナリスト水田雅展の銘柄分析