エスプール<2471>(JQ)は、ロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援・就労移行支援サービス、コールセンター業務などの人材サービス事業を展開している。18年11月期2桁増収増益・増配予想である。そして上振れの可能性が高いだろう。株価は調整一巡して戻り高値圏だ。5月の上場来高値を試す展開が期待される。なおJPX日経中小型株指数に採用された。また10月3日に第3四半期決算発表を予定している。
■ロジスティクス、障がい者雇用支援、コールセンターなど人材サービス事業
ビジネスソリューション事業(障がい者雇用支援サービス、ロジスティクスアウトソーシングサービス、セールスサポートサービス、新規事業)、および人材ソリューション事業(コールセンター向け派遣、販売・営業スタッフ派遣、ストアスタッフ派遣など)を展開している。17年11月期の売上構成比はビジネスソリューション事業34%、人材ソリューション事業66%だった。
障がい者雇用支援サービス「わーくはぴねす農園」は17年11月期末時点で8農園を展開し、利用企業数が136社、管理区画数が1337区画、就業数が668名となった。
新規事業のアルバイト採用支援サービス「Omusubi」は取引社数が28社に拡大した。18年8月には「Omusubi」の業務拡大に合わせて、徳島県小松島市とコールセンター設立に向けた立地協定を締結した。
17年10月アルバイト・パート採用代行業務でツナグ・ソリューションズと業務提携した。17年12月には中国国内のECプロモーションや越境ECコンサルティングを行う上海潤世企業営銷管理と業務提携した。中国市場の特性に合わせた越境EC支援サービスを開始する。
18年8月には通販商品発送代行サービスを提供する子会社エスプールロジスティクスが、食品ロス削減を目的として社会貢献型フードシェアリングプラットフォーム「KURADASHI.jp」を運営するグラウクスと、通販企業の余剰在庫の有効活用サービスを共同で開始した。
■営業利益率5%の早期達成目標
なお営業利益の季節特性として、障がい者雇用支援サービスの売上が伸びる第2四半期、および第4四半期の構成比が高い傾向がある。
中期経営計画の目標値は、営業利益率5%の早期達成と20年度までに業界最高水準10%の達成、安定的かつ継続的な配当の実施、ROE最低5%堅持としている。配当の基本方針は連結ベースでの株主資本配当率(DOE)5%を目安としている。
アウトソーシング需要は高水準であり、高付加価値サービスが牽引して中期的にも収益拡大基調が期待される。
■18年11月期2桁増収増益・増配予想で上振れの可能性
18年11月期連結業績予想は、売上高が17年11月期比16.2%増の135億87百万円、営業利益が20.7%増の8億14百万円、経常利益が16.7%増の8億02百万円、純利益が10.7%増の4億68百万円としている。配当予想は1円40銭増配(18年3月1日付株式5分割換算後)の年間5円(期末一括)としている。予想配当性向は16.8%となる。
需要が高水準に推移して2桁増収増益予想である。セグメント別計画は、ビジネスソリューション事業の売上高が9.1%増の43億64百万円で営業利益が5.0%増の7億64百万円、人材ソリューション事業の売上高が21.1%増の93億55百万円で営業利益が29.3%増の8億80百万円としている。ビジネスソリューション事業では障がい者雇用支援サービスにおける農園新設、ロジスティクスアウトソーシングサービスにおける品川物流センターの本格稼働も寄与する。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比28.8%増の68億65百万円、営業利益が76.6%増の4億63百万円、経常利益が76.3%増の4億68百万円、純利益が74.6%増の3億03百万円だった。需要が高水準に推移して計画超の大幅増収増益となり、売上高、利益とも第2四半期累計として過去最高だった。売上総利益率は27.4%で0.9ポイント上昇、販管費比率は20.6%で1.0ポイント低下した。
ビジネスソリューション事業は売上高が17.0%増の20億46百万円で営業利益が55.8%増の4億10百万円だった。17年11月末に撤退したスマートメーター設置業務の売上が無くなったが、障がい者雇用支援サービスが18年4月の障害者雇用促進法改正も追い風として大幅伸長した。ロジスティクスアウトソーシングサービスもEC通販発送代行サービスが伸長した。品川物流センター新設(18年2月本稼働)に伴う先行費用負担を吸収して大幅増益だった。
障がい者雇用支援サービスの農園は2ヶ所新設して10農園、利用企業数は158社、管理区画数は1643区画となった。アルバイト採用支援サービス「Omusubi」は取引社数が54社に拡大した。
人材ソリューション事業は売上高が35.7%増の48億72百万円で営業利益が41.1%増の4億83百万円だった。主力のコールセンター業務や店頭販売支援業務が大幅伸長し、社会保険負担の増加などを吸収して大幅増益だった。
通期予想は育成中の事業の戦略軌道修正などを考慮して据え置いたが、第2四半期累計の進捗率は売上高が50.5%、営業利益が56.9%と高水準である。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。
■株価は戻り高値圏
株価(18年3月1日付で株式5分割)は直近安値圏1400円近辺から反発して8月31日に1875円まで上伸する場面があった。調整一巡して戻り高値圏だ。
9月3日の終値は1785円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS29円70銭で算出)は約60倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は約0.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS92円54銭で算出)は約19倍、時価総額は約282億円である。
週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。5月の上場来高値1960円を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)
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2018年09月04日
エスプールは戻り高値圏、18年11月期2桁増収増益予想で上振れの可能性
【アナリスト水田雅展の銘柄分析の最新記事】
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:28
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