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2019年01月29日

綿半ホールディングスは出直り期待、19年3月期増益予想

 綿半ホールディングス<3199>(東1)はスーパーセンター事業、建設事業、貿易事業を展開している。19年3月期は先行投資負担を吸収して増益予想である。株価は地合い悪が影響した12月安値から切り返している。調整一巡して出直りを期待したい。なお1月30日に第3四半期決算発表を予定している。

■スーパーセンター事業や建設事業などを展開

 18年3月期のセグメント別売上高構成比はスーパーセンター事業65%、建設事業30%、貿易事業5%、営業利益構成比はスーパーセンター事業38%、建設事業42%、貿易事業18%だった。

■スーパーセンター事業は「EDLP×EDLC」戦略を推進

 スーパーセンター事業は、綿半ホームエイドが長野県を中心にスーパーセンター業態とホームセンター業態、綿半フレッシュマーケットが愛知県を中心に食品スーパー業態、綿半Jマートが関東甲信越エリアにホームセンター業態を展開している。

 M&Aも積極活用したエリア拡大と新業態開発による売場面積拡大、EDLP(エブリデー・ロー・プライス)×EDLC(エブリデー・ロー・コスト)戦略による商品点数絞り込みとチラシ削減、全社を一本化する新基幹システムの導入と物流改革などを推進している。

 17年1月には綿半パートナーズを設立し、グループの商品仕入原価低減やPB商品共同開発・相互供給を推進している。18年12月には家電・パソコン等の通販サイト「PCボンバー」を運営するアベルネットを子会社化した。ネット通販を強化する。

 18年7月綿半Jマート富士河口湖店を綿半スーパーセンター富士河口湖店としてリニューアルオープン、11月岐阜県初出店となる綿半スーパーセンター可児店をオープンした。これによりスーパーセンター事業の店舗数は、愛知・岐阜県および関東甲信に合計37店舗となった。

■建設事業は長尺屋根工事や自走式立体駐車場工事に強み

 建設事業は、綿半ソリューションズが建築・土木・住宅リフォーム工事、鉄骨・鋼構造物の加工・製造などを展開し、長尺屋根工事などの外装改修工事および自走式立体駐車場工事を強みとしている。

 長尺屋根工事では、工場の操業を止めずに老朽化した屋根の改修工事を行うWKカバー工法で特許を取得し、工場・倉庫・物流センター、商業施設、駅舎関連などに豊富な工事実績を誇っている。自走式立体駐車場工事では、柱の少ない認定品「ステージダブル」など国土交通省の認定を多数有し、大型SCの立体駐車場などの工事実績が豊富である。

■貿易事業はジェネリック医薬品向け天然原料などを輸入販売

 貿易事業は、医薬品・化成品向け天然原料輸入専門商社の綿半トレーディングが展開している。

 ジェネリック医薬品向けアセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)や、メキシコ特産でヘアワックス・口紅などに使用するキャンデリラワックス(取り扱い数量国内1位)など特定分野に強みを持ち、製造部門はHMG(ヒト尿由来の排卵障害治療薬)原薬を製造して医薬品メーカーに販売している。

■スーパーセンターは既存店売上と店舗網拡大、建設は工事採算に注目

 スーパーセンター事業は既存店売上高、M&Aも活用した店舗網拡大戦略、新業態開発戦略が注目される。建設事業は基本的には第4四半期の構成比が高い季節要因だが、大型案件の動向や個別案件の工事採算動向で利益率が変動する。

■19年3月期増益予想

 19年3月期連結業績予想は売上高が18年3月期比0.4%増の1028億10百万円、営業利益が4.1%増の24億41百万円、経常利益が4.1%増の26億04百万円、純利益が3.6%増の15億36百万円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間32円(期末一括)で予想配当性向は20.5%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比0.5%減の491億38百万円、営業利益が3.3%増の9億09百万円、経常利益が4.8%増の9億79百万円、純利益が11.9%増の6億61百万円だった。

 スーパーセンター事業は7.5%減収で31.5%減益だった。17年12月の三鷹店閉店、天候不順、EDLP戦略の商品共通化に伴う在庫処分などで減収減益だった。建設事業は16.9%増収で2.4倍増益だった。天候不順の影響で一部物件の進捗が遅れたが、立体駐車場が牽引した。貿易事業は4.8%増収で11.4%増益だった。

 通期ベースでは、スーパーセンター事業でEDLP・EDLC戦略、物流改革、新規出店、建設事業で工場自動化による生産性向上、貿易事業で原薬製造の安定化・高品質化、自然派・オーガニック商品の拡販などを推進する。総額35億円程度の設備投資を実行するが、先行投資負担を吸収して増益予想である。

 セグメント別計画は、スーパーセンター事業の売上高が3.1%減の649億20百万円で営業利益が18.5%増の15億86百万円、建設事業の売上高が8.1%増の327億50百万円で営業利益が2.9%増の15億38百万円、貿易事業の売上高が1.6%増の48億93百万円で営業利益が2.7%増の6億34百万円としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高47.8%、営業利益37.2%だが、建設事業は第4四半期の構成比が高い収益特性があるため、概ね順調だろう。通期ベースで好業績を期待したい。

 スーパーセンター事業の月次売上(前年同月比、速報値)を見ると、18年12月は全店111.2%、既存店97.9%だった。全店売上は17年12月の三鷹店閉店が影響したが、18年12月子会社化したアベルネットが寄与した。既存店売上は3ヶ月連続の前年比マイナスだった。平均気温が高く推移したため冬物商材が低調だった。

■景気に左右されない安定・成長性のある事業構造を目指す

 中期ビジョンでは基本方針に「時代の変化に対応し、景気に左右されない安定・成長性のある事業構造を創り上げる」を掲げ、多様性のある経営人財の育成、IT化推進による経営改革、M&A推進のための財務体質強化、長期を見据えた海外展開の準備に取り組んでいる。中期経営計画の目標値(19年3月期売上高1000億円、経常利益22億円)は18年3月期に前倒しで達成した。

■株主優待制度は9月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象として、信州特産品や綿半ホームエイドPB商品詰め合わせなど(1点選択)を贈呈する。

■株価は調整一巡して出直り期待

 株価は地合い悪が影響した12月25日安値1926円から切り返している。調整一巡して出直りを期待したい。1月28日の終値は2149円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS155円83銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間32円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1362円72銭で算出)は約1.6倍、時価総額は約212億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 05:51 | アナリスト水田雅展の銘柄分析