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2019年07月17日

アルコニックスは戻り歩調、20年3月期増収増益・連続増配予想

 アルコニックス<3036>(東1)は商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指している。20年3月期増収増益・連続増配予想である。収益拡大を期待したい。株価は小動きだが下値を切り上げて戻り歩調だ。上値を試す展開を期待したい。なお8月6日に第1四半期決算発表を予定している。

■商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」目指す

 軽金属・銅製品(伸銅品、銅管など)、電子・機能材(レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など)、非鉄原料(アルミ・亜鉛地金など)、建設・産業資材(配管機材など)を取り扱う非鉄金属商社グループである。

 商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指し、M&Aも積極活用して、非鉄金属の周辺分野も含めた川上(製造)〜川中(流通)〜川下(問屋)を網羅するビジネス展開を推進している。

■製造が利益柱

 19年3月期セグメント別売上高構成比は、商社流通84%(電子機能材33%、アルミ銅51%)で製造16%(装置材料8%、金属加工8%)だが、経常利益構成比は商社流通28%(電子機能材12%、アルミ銅16%)で製造72%(装置材料10%、金属加工63%)だった。

 レアメタル・レアアースなど非鉄金属の市況、持分法投資損益、M&Aに伴うのれん償却や負ののれん益なども収益変動要因となるが、積極的なM&Aで製造が連結経常利益の過半を占める収益柱となっている。

 中期経営計画(20年3月期〜22年3月期、1年ごとに見直すローリング方式)では、経営目標値を22年3月期の経常利益100億円超、純利益70億円超、ROE13〜15%程度、NET/DER1.0〜1.3倍程度としている。

 3年間の投融資総額はM&A・事業投資を中心に250億円〜300億円で、ROIC10%を目標とする。商社機能と製造業を融合する「非鉄金属の総合企業」を目指して積極投資を推進する方針だ。

 18年12月には摩擦調整材のカシューパーティクルを製造販売する東北化工を連結子会社化してブレーキ関連市場に参入、19年2月にはカーボンブラシを製造販売する富士カーボン製造所を連結子会社化した。

 19年6月には、香港でリチウムイオン電池用材料関連事業の合弁会社を設立、中国で建設用仮設資材の輸入・製造・販売の合弁会社を設立した。

 19年7月には、メキシコFNA社(富士プレスが日邦産業と共同設立)の自動車部品用精密金属プレス部品事業を、メキシコFUJI−MX社(18年12月設立)が譲り受けて営業開始した。FNA社の事業運営に係る日邦産業との合弁契約は解消した。

■20年3月期増収増益・連続増配予想

 20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比3.3%増の2660億円、営業利益が8.7%増の68億円、経常利益が11.9%増の70億円、そして純利益が17.2%増の47億円としている。配当予想は1円増配の年間40円(第2四半期末20円、期末20円)としている。連続増配で予想配当性向は21.7%となる。

 製造の金属加工が富士プレスとのメキシコ合弁事業立ち上げ(19年7月営業開始予定)関連費用で減益見込みだが、商社流通の電子材料関連の牽引を見込み、19年3月期のM&A子会社も通期寄与して増収増益予想である。

 セグメント別経常利益の計画は、商社流通が28.9%増の22億50百万円(電子機能材が59.4%増の11億50百万円、アルミ銅が7.3%増の11億円)、製造が5.0%増の47億50百万円(装置材料が2.1倍の12億50百万円、金属加工が10.6%減の35億円)としている。M&A効果も寄与して収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は3月末の株主対象、19年3月末から導入

 株主優待制度は、毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じて贈呈(詳細は会社HP参照)する。19年3月末から導入した。

■株価は戻り歩調

 株価は小動きだが下値を切り上げて戻り歩調だ。上値を試す展開を期待したい。7月16日の終値は1360円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS184円72銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1489円59銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約352億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)




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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:06 | アナリスト水田雅展の銘柄分析