エスプール<2471>(東1)はロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援・就労移行支援サービス、コールセンター業務などの人材サービス事業を展開している。当面は当面は新型コロナウイルス感染症と緊急事態宣言による経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期成長基調に変化はないだろう。株価は急反発して戻り高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
■ロジスティクス、障がい者雇用支援、コールセンターなど人材サービス事業
ビジネスソリューション事業(障がい者雇用支援サービス、ロジスティクスアウトソーシングサービス、セールスサポートサービス、新規事業)、および人材ソリューション事業(コールセンター向け派遣、販売・営業スタッフ派遣、ストアスタッフ派遣など)を展開している。
19年11月期の売上構成比はビジネスソリューション事業が29%、人材ソリューション事業が71%、営業利益構成比(連結調整前)はビジネスソリューション事業が56%、人材ソリューション事業が44%だった。
障がい者雇用支援サービス「わーくはぴねす農園」は19年11月期末時点で18農園を展開し、利用企業数が259社、管理区画数が2961区画、就業障がい者数が1480名となった。20年3月には千葉県船橋市に全国19番目の「わーくはぴねす農園」を開設した。また従来型の農園はビニールハウス型だが、昨今の台風など自然災害の影響を踏まえ、また屋外作業に適さない方にも就労機会を提供することを目的として、屋内型農園のサービスも開始(東京都板橋区に20年8月開設予定)する。
採用支援サービス「OMUSUBI」は分社化してエスプールリンクが事業展開する。エスプールリンクは20年2月クラウド型OJTシステムのClipLineと業務提携、20年3月採用支援サービスのZENKIGENに出資、健康経営支援サービスのメンタルヘルステクノロジーズに出資した。
20年4月には、エコノス<3136>の子会社でカーボンオフセット事業を展開するブルードットグリーンとの資本提携に向けた協議開始を発表した。新サービス開発に取り組む。
配当の基本方針は20年11月期から変更した。連結配当性向20%を目安とし、減益の場合でも単年度での連結配当性向60%を超えるまで減配しないとしている。
■20年11月期大幅増収増益予想
20年11月期連結業績予想は、売上高が19年11月期比17.8%増の206億36百万円、営業利益が24.7%増の20億円、経常利益が22.3%増の19億88百万円、純利益が19.0%増の12億88百万円としている。配当予想は1円30銭増配の3円30銭(期末一括)で連続増配となる。
第1四半期は、売上高が前年同期比20.3%増の46億75百万円、営業利益が82.8%増の3億86百万円、経常利益が80.3%増の3億90百万円、純利益が2.4倍の3億02百万円だった。障がい者雇用支援サービスの設備販売が計画を上回り、コールセンター業務も順調に拡大した。
ビジネスソリューション事業は15.9%増収で89.1%増益だった。障がい者雇用支援サービスが49%増収、採用支援サービスが42%増収と大幅伸長した。ロジスティクスアウトソーシングサービスは21%減収だが、配送費立替金変更の影響を除くと実質増収だった。人材ソリューション事業は21.8%増収で29.8%増益だった。販売支援は大型案件終了で6%減収だが、コールセンター業務が27%増収と好調だった。
通期セグメント別計画は、ビジネスソリューション事業の売上高が23.2%増の62億14百万円(障がい者雇用支援サービスが28%増収、ロジスティクスアウトソーシングサービスが9%増収、採用支援サービスが37%増収など)で営業利益が19.4%増の18億08百万円、人材ソリューション事業の売上高が15.9%増の145億円(コールセンター業務が14%増収、店頭販売支援が20%増収など)で営業利益が19.1%増の14億10百万円としている。障がい者雇用支援サービスでは農園新設4〜6施設、設備販売1026区画を計画している。
当面は当面は新型コロナウイルス感染症と緊急事態宣言による経済収縮の影響が懸念材料となるが、中期成長基調に変化はないだろう。
■株価は上値試す
株価(19年10月1日付で株式5分割)は急反発して戻り高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。4月30日の終値は749円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS16円31銭で算出)は約46倍、今期予想配当利回り(会社予想3円30銭で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS38円42銭で算出)は約19倍、時価総額は約592億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)
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2020年05月01日