今回の特集では、コロナ禍再拡大の関連株として「チーム・アンジェス」に注目してみることとした。アンジェスは、前述の通り株式需給的に高値ぶら下がりで身動きが取れなくなっているが、DNAワクチンの開発・製造プロジェクトに参画している各社は、この需給的な重みは相対的に軽くなっており、ワンチームとしての投資妙味を示唆しているからだ。さらにこのチーム構成を大阪大学発のベンチャーまで広げれば「チーム・阪大発ベンチャー」として意外株が浮上する可能性があるかもしれない。
■3月のパンデミックの「第1波」では株価V字反騰を強力サポート
「チーム・アンジェス」株は、アンジェスがプロジェクトへの参画を発表するたびに急動意となった。発表順にあげると3月5日のタカラバイオ<4974>(東1)以下、ダイセル<4202>(東1)、EPSホールディングス<4282>(東1)、新日本科学<2395>(東1)、ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ<、HMT、6090>(東1)、フューチャー<4722>(東1)、スリー・ディー・マトリックス<3Dマトリックス、7777>(JQG)、AGC<5201>(東1)、塩野義製薬と続いた。
参画が子会社による銘柄、PCR検査まで手掛ける守備範囲の広さを誇る銘柄なでなどさまざまで株価の感応度も異なり、投資採算的にも割高・割安が分かれる。最も強く反応したのが、HMTで連続ストップ高を交えて年初来高値2032円まで3.2倍化し、3Dマトリックスは、足元では吸収性局所止血剤の製造販売承認と扶桑薬品工業<4538>(東1)の契約解除の好悪材料が綱引きして低位値ごろ妙味を刺激している。投資採算的な割安株には、新日本科学、フューチャーが上げられる。今年3月の「第1波」時に株価のV字反騰を強力サポートした場面の再現期待を高めよう。
■「チーム・阪大発ベンチャー」まで広げればバラエティーと厚み
「チーム・阪大発ベンチャー」では、今回のアンジェスのDNAワクチン開発でも、大阪大学発のバイオベンチャー2社が参画している。この阪大発のベンチャーで上場している関連株は、総医研ホールディングス<2385>(東マ)、ジェイテックコーポレーション<3446>(東マ)、ステムリム<4599>(東マ)などが上げられる。ジェイテックは、目下集計中の前3月期業績を下方修正したが、今年4月に新型コロナウイルスの抗体検査キットを発売しており、ステムリムは、新薬寄与で今7月期業績を上方修正し、総医研HDも前6月期業績の上方修正と期末増配を発表したばかりで、急騰再現期待を高めバラエティーと厚みを増そう。
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2020年07月27日