大木ヘルスケアホールディングス<3417>(JQS)は、前日14日に2円高の1407円と4営業日ぶりに小反発して引けた。同社株は、今年8月12日に開示した今2021年3月期第1四半期(2020年4月〜6月期、1Q)業績がV字回復して着地しており、期初に未定とした今期第2四半期(2020年4月〜9月期、2Q)累計業績が、11月12日に発表予定にあることを先取りし、さらにフランスなど欧米で再び新型コロナウイルス感染症の感染が拡大していることも加わり関連の割安株買いが再燃した。テクニカル的にも年初来高値2057円からの調整幅の半値戻しを達成しており、相場格言の「半値戻しは全値戻し」への期待を高めている。
■ウイルス除菌製品が伸びペット保険などにも巣ごもり消費
同社の今期1Q業績は、売り上げ688億9600万円(前年同期比0.3%増)、営業利益7億9700万円(同5.42倍)、経常利益10億3700万円(同2.32倍)、純利益7億2800万円(同2.29倍)と大幅増益転換して着地した。新型コロナウイルス感染症の拡大対応でドラッグストアなどにマスクや二酸化塩素系のウイルス除菌製品「ウイルオフ」や除菌剤の売り場づくりを提案し、やはり巣ごもり消費で伸びている動物用医薬品やペット保険などの新事業の取り組みを強化し、前期に開設した3物流拠点がフル稼働したことなどが要因となった。
今期2Q累計業績と3月期通期業績は、新型コロナウイルス感染症の影響を算定することは困難として未定としてきた。ただ2Q決算発表時には、期の半分が過ぎたことから予想業績が開示されると期待されている。この場合、業績続伸が有力視されており、東洋経済会社四季報最新号では、3月期通期純利益を27億円と前期の過去最高(23億6600万円)を連続更新、配当も年間19円〜20円(前期実績19円)と連続増配含みと観測している。
■実績PERでも8倍と割安で「半値戻しは全値戻し」へ再発進
株価は、新型コロナウイルス感染症関連株買いで3日連続のストップ高を交えて年初来高値2057円まで急伸し、同人気の一巡と世界同時株安の波及で年初来安値631円まで急落した。同安値から売られ過ぎ修正に前期配当の増配、前期業績の好決算で1300円台までリバウンド、さらに今期1QのV字回復業績で1521円の戻り高値をつけ、年初来高値からの調整幅の半値戻しを達成した。PERは、前期実績の1株利益ベースでも8倍台と割安であり、相場格言通り「半値戻しは全値戻し」に再発進しよう。
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2020年10月15日