長大<9624>(東1)は、休日前の2日に19円高の1247円と3営業日ぶりに反発し、9月28日につけた年初来高値1385円を射程圏に捉えた。同社株は目下集計中の2020年9月期業績を2回も上方修正し、期初の減益転換予想が増益転換して連続して過去最高純利益を更新し、配当も2回増配されたことを見直し割安修正買いが再燃した。また小泉進次郎環境大臣が、国立公園内で地熱発電の開発を支援する規制緩和法案を次期通常国会に提出すると発言したことも、同社の再生エネルギー関連株人気を高めている。
■国土強靭化関連の受注高が増加しIT活用の業務効率化もオン
同社の2020年9月期業績と配当は、今年9月、10月と2回上方修正され2回増配された。業績は、期初予想の前期比4.8%増収、31.8%営業減益、30.7%経常減益、34.9%純益減益が、最終的に売り上げ309億5000万円(前期比6.7%増)、営業利益30億8000万円(同6.0%増)、経常利益31億2000万円(同8.7%増)、純利益20億円(同7.7%増)と増益転換し、純利益は、前期の過去最高(18億5700万円)を連続更新する。国土強靭化計画の防災・減災関連向けに基礎地盤コンサルタントなどの子会社の公共工事関連の受注が増加し、人員増強などの施策は翌期にズレ込み、ITを活用した業務効率化を推進したことなどが寄与した。
配当は、期初に年間40円(前期実績53円)と予想したが、1株配当40円と配当性向25%を実施した場合の高い方を実施する配当政策に従って、業績上方修正とともに43円、57円と2回増配し、前期比増配とした。続く2021年9月期業績の動向については、11月13日に予定している前期決算の発表時の業績ガイダンスを待たなくてはならないが、前期業績が中期経営計画で目指している2022年9月期目標(営業利益30億円)をすでに上回っているだけに市場の期待を高めている。国立公園内の地熱発電の規制緩和策も、基礎地盤コンサルタントの事業強化につながる見込みである。
■PER5倍、PBR0.7倍と東証第1部でも出色の過小評価
株価は、昨年10月の2019年9月期業績の3回目の上方修正で昨年来高値1420円をつけ、今年に入って2020年9月期第1四半期の伸び悩み業績とコロナ・ショック安のダブルパンチで年初来安値665円へ突っ込んだ。同安値からは第2四半期・第3四半期の好調業績を手掛かりに底上げし、今年9月の1回目の上方修正で1385円の戻り高値をつけた。このため10月の2回目の上方修正では戻り売りも出て、戻り高値を前にもみ合いを続けてきた。ただPERはわずか5倍台、PBRは0.76倍、配当利回りは4.57%と東証第1部市場でも出色の過小評価となっており、戻り高値抜けから昨年来高値1420円を奪回し、上値チャレンジを強めよう。
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2020年11月04日