■可燃ごみを再エネ利用し、CO2排出量低減と循環型社会に貢献
オリックス<8591>(東1)グループのオリックス資源循環は、埼玉県寄居町で建設していたバイオマスによる再生可能エネルギー発電施設「寄居バイオガスプラント」を竣工したと発表。寄居バイオガスプラントは、一般廃棄物を活用した国内最大規模となる設備容量1.6MWの乾式のメタン発酵バイオガス発電施設。2021年6月から試運転を開始し、2022年1月に商業運転の開始を予定している。乾式のメタン発酵バイオガス発電施設の竣工は、関東圏で同件が初となる。
同発電施設は、まず食品廃棄物や紙ごみなどの一般廃棄物(バイオマス)をメタン菌により発酵させることでバイオガスを生成させ、このバイオガスを発電用燃料として利用する再生可能エネルギー発電施設。
主に国内で普及しているバイオガス発電施設の多くは湿式のメタン発酵技術を用いている。家畜の排せつ物や食品の残りかすなど、水分含有率の高い有機物の処理に適している。
これに対し、同発電施設で採用する乾式のメタン発酵技術は、これまで処理が困難とされていた水分含有率が低い有機物からもバイオガスを高効率に取り出すことができる。この技術により、紙ごみや異物であるプラスチックなどが一緒に排出される食品小売業や外食産業でもバイオガス発電施設が利用できるようになり、食品廃棄物と異物などの他の廃棄物との分別をせずにリサイクルできるようになる。これまで可燃ごみであったものをエネルギー(電気、温水)として利用できることで、焼却処理する廃棄物の削減に繋げ、廃棄物焼却処理におけるCO2排出量を低減する。
オリックス資源循環は、2006年から埼玉県寄居町の「彩の国資源循環工場」において、最先端の熱分解ガス化改質方式を採用した廃棄物高度処理施設(ゼロエミッション施設)を埼玉県とのPFI事業として運営しており、民間施設としては国内最大級の日量450トンの処理能力を有している。廃棄物処理施設の運営を通じてこれまでに培ったノウハウとネットワークを生かし、本発電施設との一体運営を行う。
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2021年06月10日