タスキ<2987>(東マ)は17日、130円高の3160円と続伸し人気化した。同社株は、今年11月8日に発表した今2022年9月期業績が、連続の過去最高と見込み、配当も連続増配を予定していることを歓迎してストップ高したが、さらに11月15日には株式分割を発表、追撃材料となって割安東マ株買いが増勢となった。同社の年間配当利回りは、前日16日の株価急伸にもかかわらず、東マ市場の配当利回りランキングで第13位、低PER株ランキングでも第56位にランクされており、なお上値余地大として期待を高めている。
■投資用レジデンス事業が続伸し不動産DXでも新サービス展開
株式分割は、投資単位当たりの金額を引き下げ、同社株式の流動性を向上させ投資家層の拡大を図ることを目的にしており、12月9日を基準日に1株を2株に分割する。今9月期配当は、35%以上の配当性向を目標とする配当政策に基づき年間52円(前々期実績26円)へ大幅増配した前期に続き、56円と連続増配を予定し、株式分割権利落ち後は28円となる。
一方、同社の前2021年9月期業績は、今年10月25日の再上方修正通りに前々期比30.8%増収、2.16倍営業増益、2.13倍純益増益2.40倍営業増益と過去最高を更新して着地し、配当も年間52円へ大幅増配した。続く今2022年9月期業績は、売り上げ130億円(前期比41.5%増)、営業利益15億5000万円(同23.1%増)、経常利益13億6000万円(同22.3%増)、純利益9億3000万円(同17.0%増)と6期連続の増収増益を見込み、連続過去最高となる。投資用のマンションを1棟販売する新築投資用IoTレジデンス事業ではパイプライン(事業用地)の積極的な取得を継続し、不動産DX(デジタル・トランスフォ−メーション)を推進する不動産価値流通プラットフォーム「TASUKI TECH」では、土地活用シミュレーター「TOUCH&PLAN」などの新サービスを開発・提供、DX推進で生産性をアップさせることなどが要因となる。
■IPO時の最高値からの調整幅の3分の1戻しから半値戻しへ騰勢加速
株価は、今年9月の前期業績の1回目の上方修正で2051円とストップ高し、その後の調整安値1650円からは今年10月の2回目の上方修正で2447円へリバウンド、今期業績の続伸予想と連続増配が追撃材料となって2947円とストップ高し、株式分割がオンした前日に一時、3170円高値まで上値を伸ばした。この株価水準は、昨年10月のIPO(新規株式公開)時にストップ高でつけた上場来高値6060円からその後の今年8月の上場来安値1380円までの調整幅の3分の1戻しをクリアしている。低PER・高配当利回りのバリュー評価に株式分割の権利取りが加わり、目先は年初来高値3390円奪回に動こうが、さらに最高値からの調整幅の半値戻しの3720円へ騰勢加速となろう。
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!
2021年11月17日