Mipox<5381>(JQS)の今2022年3月期業績は、今年8月、11月と2回上方修正され、純利益が、前期比10.3倍と高変化が見込まれていることを見直し売られ過ぎ修正買いが再燃している。株式需給的にも、今年12月3日に発行した第2回新株予約権が、10日に大量行使されたが、希薄化懸念は限定的にとどまるとして買い評価されている。
■半導体受託事業が好調に推移しコーティング・スリットサービスも本格化
同社の今3月期業績は、11月12日に8月の増額値より売り上げを9億5000万円、営業利益と経常利益を各5億円、純利益を4億円それぞれ引き上げられ、売り上げ93億円(前期比26.3%増)、営業利益13億円(同3.61倍)、経常利益12億円(同3.98倍)、純利益9億円(同10.33倍)と大幅続伸が見込まれている。製品事業ではハードディスク、光ファイバー、半導体の需要が続伸し、受託事業では半導体受託サービスが好調に推移するとともに、受託コーティング・スリットサービスの生産が本格化したことなどが要因となった。純利益は、前期計上の減損損失が一巡したことでより増益率を伸ばす。
なお同社は、受託コーティング・スリットサービスの生産能力拡充のために工場用地(栃木県鹿沼市)を約28億円で取得し、山梨工場との2工場体制とすることを計画しており、この資金調達のために第2回の新株予約権を発行した。この潜在株式は、発行済み株式総数の19.62%で一時集中的な行使を抑制するなどの仕組みも組み込まれていることから株式価値の希薄化懸念は限定的としている。
■まず年初来高値から直近安値への調整幅の3分の1戻し
株価は、今年8月の第1回目の今期業績の上方修正でストップ高を交えて年初来高値1353円まで9割高したが、11月の2回目の上方修正では新株予約権の発行を伴ったことで小幅反発にとどまって下値を探り、新株予約権の大量行使とともに923円安値へ売られた。ファンダメンタルズ的にPERは12倍台、テクニカル的にも25日移動平均線から10%超のマイナスかい離となお売られ過ぎを示唆しており、まず年初来高値から直近安値への調整幅の3分の1戻しの1066円水準の25日線までリバウンドし、半値戻しの1138円奪回に弾みをつけよう。
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!
2021年12月14日