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2022年01月04日

ティムコは戻り試す、22年11月期も収益改善基調

 ティムコ<7501>(JQ)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売を展開している。21年11月期は2桁増収で黒字転換予想としている。屋外アクティビティとして釣り関連市場が拡大しており、22年11月期も収益改善基調だろう。株価は21年9月の昨年来高値から反落し、地合い悪化も影響して水準を切り下げる場面があったが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。なお1月19日に21年11月期決算発表を予定している。

■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売

 フィッシング用品(ルアーフィッシング用品、フライフィッシング用品)およびアウトドア用品(アウトドア衣料・用品)の企画・開発・販売事業を展開している。

 フィッシング用品の分野では、日本では歴史の浅いフライフィッシングのパイオニアであり、竿から衣料品に至るまで全てのフライ用品を取り扱う唯一の企業であることを特徴・強みとしている。アウトドア用品の分野では、オリジナルブランドのアウトドアクロージング「Foxfire」を主力としている。

 20年11月期セグメント別売上高構成比はフィッシング事業が33%、アウトドア事業が66%、その他(不動産賃貸収入など)が1%だった。

 基本戦略として、規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、フィッシング事業ではフライ用品の裾野拡大やルアー用品のユーザー層拡大、アウトドア事業ではオリジナルアウトドアブランド「Foxfire」や直営店舗「Foxfire Store」の認知度向上・ユーザー層拡大に取り組んでいる。

 またネット通販や宣伝販売促進の更なる強化、フィッシング事業の強化、直営店フォックスファイヤーの販売チャネル見直しや不採算店舗整理による事業効率化、社内業務見直しによる販管費コントロール・経費削減なども推進している。

 なお19年4月にスノーピーク<7816>と資本業務提携し、スノーピークが第1位株主となっている。商品開発・販売などを共同展開する。21年11月にはスノーピーク、アイビック、アイビック食品、および同社の4社共同で、キャンプ・フィッシング・食を融合した体験型施設などを展開し、新たなアウトドアカルチャーの価値創造を目的とする新会社キャンパーズアンドアングラーズ(札幌市)を設立した。

■21年11月期黒字転換予想、22年11月期も収益改善基調

 21年11月期の業績(非連結)予想(7月13日に売上高、営業利益、経常利益を上方修正)は、売上高が20年11月期比16.5%増の31億07百万円、営業利益が26百万円の黒字(20年11月期は1億34百万円の赤字)、経常利益が38百万円の黒字(同1億27百万円の赤字)としている。当期純利益は特別損失10百万円を計上するため0百万円(同2億28百万円の赤字)としている。配当予想は据え置いて20年11月期と同額の5円40銭(期末一括)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比18.6%増の21億76百万円、営業利益が44百万円の赤字(前年同期は1億28百万円の赤字)、経常利益が33百万円の赤字(同1億23百万円の赤字)、四半期純利益が51百万円の赤字(同1億64百万円の赤字)だった。大幅増収で赤字縮小した。なお特別損失に新型コロナウイルス感染症拡大に伴う臨時休業等損失11百万円を計上した。

 フィッシング事業は売上高が23.4%増の8億73百万円で営業利益が33.9%増の1億53百万円だった。3密を避けられる屋外アクティビティとして釣り関連市場が拡大し、ルアー用品の新製品投入やフライ用品のプロモーション効果なども寄与して大幅増収増益だった。

 アウトドア事業は売上高が15.8%増の12億82百万円で営業利益が69百万円の赤字(前年同期は68百万円の赤字)だった。釣り関連商品の好調や直営店の増加などで大幅増収だったが、7月以降の緊急事態宣言の影響で百貨店やショッピングセンターへの集客が伸び悩み、集客低迷を補うための値引き販売の実施や直営店舗増加に伴う運営経費で利益が伸び悩んだ。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高7億07百万円で営業利益60百万円の赤字、第2四半期は売上高7億96百万円で営業利益35百万円の黒字、第3四半期は売上高6億73百万円で営業利益19百万円の赤字だった。

 通期は、3密を避けたアクティビティとして釣りが注目されたことも背景にフィッシング事業が好調に推移し、全体として2桁増収で黒字転換予想としている。なお新型コロナウイルス感染症再拡大による緊急事態宣言に伴い、販管費に計上を見込んでいた経費の一部(直営店臨時休業等で期間中に発生した店舗スタッフ人件費、その他店舗家賃)を特別損失として計上する。また特別利益に投資有価証券売却益12百万円を計上する。

 屋外アクティビティとして釣り関連市場が拡大しており、さらに緊急事態宣言解除による事業環境好転や製品価格改定(21年12月からフライ関連の一部製品の価格改定を実施)も寄与して、22年11月期も収益改善基調だろう。

■株主優待制度は毎年11月末の株主対象

 株主優待制度は毎年11月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じてFoxfire Store20%OFFお買物優待券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は戻り試す

 22年4月4日移行予定の新市場区分については、上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果としてスタンダード市場適合を確認し、21年7月16日開催の取締役会においてスタンダード市場選択申請を決議した。所定のスケジュールに基づいて手続を進める。

 株価は21年9月の昨年来高値から反落し、地合い悪化も影響して水準を切り下げる場面があったが、調整一巡して切り返しの動きを強めている。低PBRも見直し材料であり、戻りを試す展開を期待したい。12月30日の終値は819円、前期推定配当利回り(会社予想の5円40銭で算出)は約0.7%、前々期実績PBR(前々期実績のBPS1824円37銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約27億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:47 | アナリスト水田雅展の銘柄分析