パナソニック<6752>(東1)は、前日12日に28.5円高の1328円と急反発して引けた。11日の米国市場で電気自動車(EV)トップのテスラが、続伸して引けたことを関連材料に下げ過ぎ修正買いが再燃した。テスラのほか車載電池の大口顧客先のトヨタ自動車<7203>(東1)も、EVの成長戦略を発表しており、相次ぐ好材料から昨年10月に上方修正された同社の今2022年3月期業績の再上ぶれ期待を高めて買い手掛かりとなっている。テクニカル的にも、5日移動平均線が25日移動平均線を下から上に抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現しており、上昇トレンド転換をしたとしてサポート材料視されている。
■車載電池の好調推移も寄与し今期業績を上方修正
EV向け好材料は、まずトヨタ自動車が、昨年12月14日に発表した積極的な世界販売目標である。2030年の販売台数を350万台と従来見通しの200万台から大幅に引き上げ、このため8兆円の電動化投資を実施、うちEV向けに4兆円を充当する。トヨタとパナソニックは、すでに車載電池の合弁会社を設立し増産を続けているだけにこのメリットは大きい。次に同社のEV電池の最大の顧客先となっているテスラでは、年明け2日に同社の2021年の年間販売台数が、前年比82%増の93万422台と過去最高となったと発表されており、両社は米国に大規模電池工場を建設・稼働させているだけに、業績の追い風になる。
一方、今2022年3月期業績は、この車載電池の好調推移にサプライチェーン・ソフトウェアの専門会社Blue Yonder株式の追加取得による評価益も加わり昨年10月に上方修正された。売り上げを期初予想より3000億円、営業利益と税引前利益を各400億円、純利益を300億円引き上げ、売り上げ7兆3000億円(前期比9.0%増)、営業利益3700億円(同43.1%増)、税引前利益3700億円(同41.9%増)、純利益2400億円(同45.4%増)とV字回復を見込んでいる。
■ミニGC示現で上昇トレンド転換を示唆し昨年来高値目指す
株価は、未定としていた今期中間配当を15円(前年同期10円)に増配したことを歓迎して1467,5円と買われ、昨年10月にEV参入を表明した米アップルが、バッテッリー調達先として同社を検討していると観測報道されたことで昨年来高値1541円まで急伸した。その反動安で今期業績の上方修正も限定的な反応にとどまり、1202.5円安値まで調整、同安値からトヨタ・テスラ関連の好材料続出で出直り、年明けに一時1349円までリバウンドした。この間5日線が25日線を上抜くミニGを示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは12倍台と割り負けており、リバウンド幅を拡大し昨年来高値奪回を目指そう。
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2022年01月13日