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2022年01月19日

ケンコーマヨネーズは底打ち、22年3月期は上振れの可能性

 ケンコーマヨネーズ<2915>(東1)はマヨネーズ・ドレッシング分野からタマゴ加工品やサラダ・総菜分野へと事業領域を拡大している。22年3月期は食用油や鶏卵など原料価格高騰で減益予想としている。ただし価格改定、生産効率化、販管費コントロールなどの効果で上振れの可能性が高いだろう。株価は軟調展開が続いていたが、21年12月の昨年来安値圏から下値を切り上げて底打ち感を強めている。出直りを期待したい。なお2月14日に22年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■マヨネーズ・ドレッシング類、ロングライフサラダの大手

 サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類の調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜(日配サラダ、総菜)およびグループ内生産受託の総菜関連事業等、その他(ショップ事業など)を展開している。ロングライフサラダは国内1位、マヨネーズ・ドレッシング類は国内2位の市場シェアである。ショップ事業のサラダ専門店Salad Cafe(サラダカフェ)は百貨店などに出店し、主に女性をターゲットにした顧客拡大戦略を推進している。

 21年3月期の商材別売上高構成比はサラダ類44%、タマゴ類26%、マヨネーズ・ドレッシング類25%、その他6%、分野別売上高構成比は量販店28%、CVS27%、外食24%、パン13%、給食4%、その他4%だった。21年3月期はコロナ禍の影響で量販店向けの構成比が上昇し、外食向けが低下した。

 収益面では、鶏卵や野菜などの原材料価格が変動要因となりやすく、プロダクトミックス、工場操業度、原燃料コストなどの影響を受ける。利益還元については連結ベースでの配当性向20%を意識し、配当の継続性に配慮しつつ、今後の成長と発展にあわせて安定配当水準を高めていくことを基本方針としている。

■事業領域拡大と生産能力増強を推進

 中期経営計画KENKO Transformation Plan(21年度〜23年度)では、目標値に24年3月期売上高800億円、経常利益40億円を掲げている。withコロナ・afterコロナという事業環境変化に対応し、基本方針として4つのテーマ(BtoBtoC、イノベーション、構造改革、グローバル)に取り組む。

 BtoBtoCでは消費者へのブランド認知度向上、使い切り・個食形態の商品開発、イノベーションではSDGsの観点を取り入れたメニュー・商品開発(賞味期限延長など)、サラダショップ展開の加速、生産面でのカーボンニュートラルの実現(静岡富士山工場を環境モデル工場と位置付け)、構造改革では基盤事業の継続成長に向けた取り組み(働き方・働きがい改革、新基幹システム導入、ガバナンス向上)、グローバルでは海外拠点(北米販売拠点設立検討、インドネシアIKI社への支援拡大)や輸出販売の拡大などを推進する。

 21年12月には、サラダ専門店Salad Cafe監修シリーズ第6弾「フムスと食べるタンドリー風チキンのサラダ」を、全国(北海道、沖縄県を除く)のファミリーマートで発売した。また1月12日には子会社の関東ダイエットクックが、首都圏のスーパーマーケットの惣菜売場において、低糖質かつ高たんぱく質で注目の豆腐干(とうふかん)を使用した「豆腐干とザーサイの担々風サラダ」と「豆腐干の塩ダレ風サラダ」を発売開始した。

 サステナビリティへの取り組みも強化している。21年7月には「食を通じて世の中に貢献する」という企業理念に基づいてサステナビリティ方針を公開した。加工ロス削減による廃棄物削減などの目標を設定した。21年9月には「国連食料システムサミット2021」への支持表明とコミットメント提出を発表した。21年10月には静岡富士山工場が障害者雇用優良事業所として静岡県知事褒賞を受賞した。

■22年3月期減益予想だが上振れの可能性

 22年3月期連結業績予想(収益認識基準適用、損益への影響なし)は、売上高が21年3月期比6.9%増の732億円、営業利益が27.6%減の14億30百万円、経常利益が26.9%減の15億円、親会社株主帰属当期純利益が28.0%減の10億50百万円としている。配当予想は5円減配の15円(第2四半期末7円、期末8円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比11.8%増の374億87百万円、営業利益が31.9%増の7億円、経常利益が12.2%増の6億99百万円、親会社株主帰属四半期純利益が8.2%増の4億56百万円だった。

 大幅営業増益だった。飲食店の営業時間短縮や酒類提供禁止などコロナ禍の影響が継続し、原材料価格高騰も大幅コストアップ要因だったが、全体として前年に比べるとコロナ禍の影響が和らいで2桁増収となり、増収に伴う工場稼働率の向上や経費削減などの効果が寄与した。売上総利益率は1.4ポイント低下して20.9%、販管費比率は1.7ポイント低下して19.0%となった。

 調味料・加工食品事業は売上高が11.8%増の284億24百万円で、経常利益(調整前)が39.5%減の2億70百万円だった。前年のコロナ禍の影響による大幅な落ち込みから回復して2桁増収だが、原材料価格高騰などの影響で減益だった。なおマヨネーズ類は7月から価格改定を実施した。

 総菜関連事業等は売上高が11.8%増の86億49百万円で経常利益が2.4倍の5億17百万円だった。18年に稼働開始したダイエットクック白老および関東ダイエットクック神奈川工場が4年目に入り、売上拡大に伴う稼働率向上で利益拡大した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高182億82百万円、営業利益4億03百万円、経常利益4億15百万円、第2四半期は売上高192億05百万円、営業利益2億97百万円、経常利益が2億84百万円だった。第2四半期は原材料価格高騰が影響した形だ。

 通期は、テイクアウト需要に対応した商品ラインナップの拡充、ドラッグストアなどの新販路拡大、サラダ専門店Salad Cafeのブランド強化などで増収を見込むが、食用油や鶏卵など原料価格高騰で減益予想としている。

 通期の売上高の計画は、調味料・加工食品事業が7.1%増の552億91百万円(サラダ・総菜類が1.5%増の164億58百万円、タマゴ加工品が4.5%増の181億64百万円、マヨネーズ・ドレッシング類が15.6%増の196億45百万円)で、総菜関連事業等が5.8%増の169億85百万円、その他(Salad Cafeなど)が10.9%増の9億23百万円としている。

 経常利益の前期比5億50百万円減益の要因別予想は、増益が売上高増加で17億08百万円(上期5億97百万円、下期11億11百万円)、生産効率で10億74百万円(上期9億17百万円、下期1億57百万円)、固定経費1億24百万円(上期は10百万円減益要因だが、下期は1億34百万円増益要因)、減益が原材料価格34億56百万円(上期14億29百万円、下期20億27百万円)としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が51.2%、営業利益が49.0%、経常利益が46.6%、親会社株主帰属当期純利益が43.4%と概ね順調だった。下期はコロナ禍の影響が和らぐことが予想される。さらに価格改定効果(マヨネーズ類が21年7月1日出荷分から実施、ロングライフサラダが21年12月1日出荷分から実施予定、マヨネーズ・ドレッシング類およびソース類が22年1月1日出荷分から実施予定)に加えて、生産効率化や販管費コントロールなどの効果も寄与して、通期予想は上振れの可能性が高いだろう。収益回復を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末の株主対象

 株主優待制度は毎年3月末日現在の株主を対象として、保有株式数に応じて当社商品を贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は底打ち

 22年4月4日移行予定の新市場区分に関しては、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果でプライム市場に適合していることを確認し、21年12月20日開催の取締役会においてプライム市場選択申請を決議した。

 株価は軟調展開が続いていたが、21年12月の昨年来安値圏から下値を切り上げて底打ち感を強めている。出直りを期待したい。1月18日の終値は1331円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS63円73銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の15円で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2159円46銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約219億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:46 | アナリスト水田雅展の銘柄分析