■2月7日発表予定の決算に注目
デンカ<4061>(東1)は、国内では新型コロナウイルスの変異ウイルス「オミクロン株」の感染急拡大で、「まん延防止等重点措置」の適用が、全国34都道府県に拡大され、感染確認のための検査キットの在庫が急減、この増産が要請され同社の業績押し上げ期待も強まっており、下値では押し目買い妙味を示唆している。
同社の今2020年3月期業績は、抗原迅速診断キット「クイックナビ」などの寄与で昨年11月に上方修正され、連続の過去最高業績をさらに伸ばすと予想されているだけに、2月7日に発表予定の今期第3四半期(2021年4月〜12月期、3Q)決算も、注目されることになりそうだ。
■「クイックナビ」1日最大13万回の生産体制構築から増産要請に対応
同社の「クイックナビ」は、昨年6月に日本政府に供給を開始して増産を続け、昨年8月には158億5098万円の買い上げ金額となり、米国にも供給を開始し1日最大13万回分の生産体制を構築した。ただ「オミクロン株」は、無症状や軽症の患者が多く、自宅療養者も急増して感染防止のためには抗原検査が不可欠となり、このためドラッグストアなどでは在庫が払底し、岸田文雄首相は、1月24日に国内外のメーカーに1日80万回分までの増産を要請したことを明らかにした。
同社の2022年3月期業績は、この「クイックナビ」と半導体向けなどの機能性材料の好調推移で昨年11月に上方修正された。期初予想より売り上げを300億円、営業利益を20億円、経常利益を10億円引き上げ、純利益は据え置きとして売り上げ3950億円(前期比11.5%増)、営業利益440億円(同26.7%増)、経常利益400億円(同24.4%増)、純利益290億円(同27.3%増)と見込み、営業利益は連続の過去最高、純利益も、2019年3月期の過去最高(250億4600万円)を3期ぶりに更新する。3Q決算が、この通期予想業績にどのようか進捗率を示すのか押し上げがあるのか要注目となる。配当は、年間145円(前期実績125円)へ増配幅の拡大を予定している。
■PER11倍、配当利回3.6%の割安修正で昨年来高値目指す
株価は、昨年11月の今期業績の上方修正・増配では、「デルタ株」の感染「第5波」の収束とともに反応は限定的にとどまって下値を探り3625円安値まで調整し、「オミクロン株」の感染爆発、検査キット在庫急減報道とともに4055円高値までリバウンド、高値もみ合い場面となった。PERは11.7倍、年間配当利回りは3.68%と割安であり、押し目買いからまず4000円大台を奪回し、昨年3月の昨年来高値4660円を目指そう。
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2022年01月26日