(決算速報)
綿半ホールディングス<3199>(東証プライム)は10月27日の取引時間終了後に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。小売事業において新規出店コストや電力料金値上げの影響を受けたが、建設事業における順調な工事進捗が牽引して、計画を上回る大幅営業・経常増益だった。そして通期の増収増益予想を据え置いた。小売事業が新店も寄与して堅調に推移し、受注好調な建設事業が回復する見込みだ。上期の利益進捗率はやや低水準の形だが、期初時点で下期偏重の利益計画である。そして上期の営業・経常利益は計画を超過達成した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形となったが、好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。
■23年3月期2Q累計は大幅営業・経常増益、通期増収増益予想据え置き
10月27日に発表した23年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比19.4%増の642億88百万円、営業利益が49.7%増の11億26百万円、経常利益が48.5%増の14億22百万円、親会社株主帰属四半期純利益が12.8%減の7億03百万円だった。
期初計画(売上高619億71百万円、営業利益10億42百万円、経常利益12億24百万円、親会社株主帰属四半期純利益8億10百万円)を上回る大幅営業・経常増益だった。小売事業において新規出店コストや電力料金値上げの影響を受けたが、建設事業における順調な工事進捗が牽引して大幅営業・経常増益だった。四半期純利益は税負担の増加で減益だった。
小売事業は売上高が0.4%増の382億89百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が41.8%減の4億93百万円だった。売上面では、外出需要の高まりで食品やDIY・園芸用品が低調だったが、8月4日にオープンした綿半スーパーセンター上田店(長野県上田市)も寄与して前年並みの売上高を確保した。コスト面では、上田店および権堂店(9月30日オープン、長野県長野市権堂町)の新規出店コストや電力料金値上げの影響を受けて減益だった。
建設事業は売上高が86.2%増の235億21百万円、利益が9億64百万円の黒字(前年同期は41百万円の赤字)だった。資材価格高騰の影響を受けたが、豊富な受注残を背景に各分野の工事が順調に進捗して、大幅増収となって黒字転換した。
貿易事業は売上高が24.2%減の22億34百万円、利益が73.7%減の1億19百万円だった。納入時期のズレや為替の円安影響で減収減益だが、概ね計画通りの進捗だったとしている。
なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が309億69百万円で営業利益が4億97百万円、第2四半期は売上高が333億19百万円で営業利益が6億29百万円だった。
通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比9.2%増の1250億円、営業利益が22.8%増の29億50百万円、経常利益が14.1%増の33億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が2.1%増の22億50百万円としている。配当予想は22年3月期比1円増配の22円(期末一括)としている。連続増配予想である。
セグメント別の計画は、小売事業の売上高が1.9%増の780億円でセグメント利益が0.6%増の18億26百万円、建設事業の売上高が25.9%増の400億85百万円で利益が71.5%増の14億53百万円、貿易事業の売上高が1.7%増の59億15百万円で利益が0.3%増の7億円としている。小売事業が新店も寄与して堅調に推移し、受注好調な建設事業が回復する見込みだ。
第2四半期累計の進捗率は売上高が51.4%、営業利益が38.2%、経常利益が42.4%、親会社株主帰属当期純利益31.2%である。利益進捗率がやや低水準の形だが、期初時点で下期偏重の利益計画(営業利益は上期10億42百万円で下期19億08百万円、経常利益は上期12億24百万円で下期21億26百万円)である。そして上期の営業・経常利益は計画を超過達成した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は戻り試す
株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形となったが、好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。10月27日の終値は1371円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS113円31銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の22円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS974円25銭で算出)は約1.4倍、そして時価総額は約273億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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2022年10月28日