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2022年11月10日

ケンコーマヨネーズは上値試す、23年3月期予想未定だが売上回復基調

 ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)はマヨネーズ・ドレッシング分野からタマゴ加工品やサラダ・総菜分野へと領域を拡大し、4つのテーマ(BtoBtoC、イノベーション、構造改革、グローバル)およびサステナビリティ方針に取り組んでいる。11月12日〜13日には食育活動の一環として、東京・日比谷公園で開催される日本農業法人協会主催の農業と食の体験型イベント「Farm Love with ファーマーズ&キッズフェスタ2022」に出展する。23年3月期予想は不透明感が強いため未定としているが、コロナ禍の影響が和らいで外食・コンビニ向け売上が回復基調であり、製品価格改定効果や工場稼働率上昇・生産効率改善なども寄与して収益回復基調だろう。株価は10月の年初来高値圏から一旦反落したが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。なお11月14日に23年3月期第2四半期決算発表を予定している。

■マヨネーズ・ドレッシング類、ロングライフサラダの大手

 サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類の調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜(日配サラダ、総菜)およびグループ内生産受託の総菜関連事業等、その他(ショップ事業など)を展開している。ロングライフサラダは市場シェア国内1位である。

 ショップ事業のサラダ専門店Salad Cafe(サラダカフェ)は、対面の量り売りサラダや弁当の販売を展開し、新たなブランド創出に向けて百貨店など駅近店舗戦略を推進している。22年10月には、サラダカフェ「チーズ香るケールとキヌアの美サラダ」が日本雑穀アワードデイリー食品部門〈2022年・秋〉で金賞を受賞した。

 22年3月期の売上高構成比は、調味料・加工食品事業が76%(マヨネーズ・ドレッシング類が26%、タマゴ加工品が26%、サラダ・総菜類が23%、その他が1%)で、総菜関連事業が23%、その他が1%だった。セグメント利益(調整前経常利益)は調味料・加工食品事業が67%、総菜関連事業が35%、その他が▲2%だった。販路別売上高構成比は量販店が29%、CVSが26%、外食が25%、パンが13%、給食が4%、その他が4%だった。22年3月期はコロナ禍の影響で量販店向けが上昇、CVS向けが低下、外食向けが回復傾向となった。

 収益面では、食用油、鶏卵、野菜などの原材料価格が変動要因となりやすく、プロダクトミックス、工場操業度、原燃料コストなどの影響を受ける。利益還元については連結ベースでの配当性向20%を意識し、配当の継続性に配慮しつつ、今後の成長と発展にあわせて安定配当水準を高めていくことを基本方針としている。

■事業環境変化に対応して変革推進

 中期経営計画KENKO Transformation Plan(21年度〜23年度)では、目標数値に24年3月期売上高800億円、経常利益40億円を掲げている。基本方針として4つのテーマ(BtoBtoC、イノベーション、構造改革、グローバル)およびサステナビリティ方針に取り組み、事業環境変化に対応して企業価値向上と持続的な成長へ向けた変革を推進する。

 BtoBtoCでは、デザイン変更や簡便性・調理時間短縮など利便性を高めた商品開発による消費者へのブランド認知度向上、新しい生活様式やライフスタイル多様化に対応した小容量・常温商品の拡充・リニューアル、原材料価格高騰に対応した高付加価値・機能性商品の開発強化、ドラッグストアや大手スーパーなど取り扱い店舗増加によるマーケティング強化、WEB・オンライン動画や料理教室の活用による情報発信・販促活動の強化、自社ECサイトによる販売強化、サラダカフェのブランド創出・駅近店舗戦略などを推進している。

 イノベーションでは、賞味期限延長や植物性原料を中心に仕上げたプラントベース商品などSDGsを意識したメニュー・商品の開発、食品ロスの削減、地方創生・活性化につながる郷土料理の商品化や持続可能な農業支援、包装・資材の最適化、生産面でのカーボンニュートラルの実現、構造改革では業務プロセスや生産効率の改善、働きやすい職場環境づくり、人事制度改革、基幹システム再構築、コーポレート・ガバナンスの強化、グローバルでは輸出販売の強化、グローバル対応商品や輸出用長期賞味商品の拡充などを推進している。

 サステナビリティへの取り組みも強化している。21年7月に「食を通じて世の中に貢献する」という企業理念に基づいてサステナビリティ方針を公開し、加工ロス削減による廃棄物削減などの目標を設定した。21年9月には「国連食料システムサミット2021」への支持表明とコミットメント提出を発表した。21年10月には静岡富士山工場が障害者雇用優良事業所として静岡県知事褒賞を受賞した。

 22年10月には、マヨネーズ・ドレッシング類の一部商品において環境配慮型包材(バイオマスインキ使用の包材)への切り替えや個装箱の見直しを順次拡大し、資材量とCO2削減を推進すると発表した。

 地方創生に向けた活動も強化している。22年3月には、鮮魚販売や水産食料品製造販売を行う鮮冷(宮城県女川町)、およびコンサルティング業務を行うくりや(北海道上川郡)と、地方創生に向けた活動を協働していくことで合意した。地域の食材を活かした商品・メニュー開発、食を通じた地域経済活性化など地域密着型の取り組みを推進する。

 22年4月には鮮冷(宮城県女川町)との共同開発第1弾として、海鮮丼3品を宮城県の道の駅「おながわ」で発売開始した。22年8月にはオペレーション簡略化・フードロス削減メニューとして、鮮冷との共同開発第2弾となる海鮮丼2品をリリースした。

 22年9月には、一般社団法人日本惣菜協会が農林水産業の事業である「農林水産物・食品輸出促進緊急対策事業のうちスマート食品産業実証事業」のモデル実証事業に採択されたことを受け、子会社の関東ダイエットクックがパートナー企業として、作業工程自動化に向けて惣菜盛り付けロボットを導入すると発表した。

■23年3月期予想未定だが収益回復基調

 23年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比9.9%増の200億85百万円、営業利益が14.7%減の3億44百万円、経常利益が16.4%減の3億47百万円、親会社株主帰属四半期純利益が11.0%減の2億44百万円だった。原材料価格やエネルギーコストの高騰の影響で減益だったが、売上面は飲食店への営業制限解除など経済活動正常化への動きを背景として、外食分野を中心に回復基調となった。

 調味料・加工食品事業は売上高が13.0%増の156億31百万円、セグメント利益(調整前経常利益)が21.0%減の1億90百万円だった。原材料価格やエネルギーコストの高騰の影響で減益だったが、売上面は外食分野を中心に回復基調となった。サラダ・総菜類では主力商品である1kg形態のポテトサラダの売上が回復した。タマゴ加工品は大手製パンメーカー向けやコンビニエンスストア向けのタマゴサラダが増加し、厚焼き卵が外食チェーンやコンビニエンスストアで採用された。マヨネーズ・ドレッシング類では外食分野の主力であるマヨネーズ1kgの売上が増加した。21年7月から進めているマヨネーズ類の価格改定効果も寄与した。

 総菜関連事業等は売上高が1.0%減の42億06百万円、利益が27.7%減の1億80百万円だった。外食需要の回復に伴って量販店等の中食向け売上が減少傾向となった。

 通期の連結業績・配当予想については、経済情勢、食用油をはじめとする原材料価格やエネルギーコストの動向など不透明感が強いため、引き続き未定としている。ただしコロナ禍の影響が和らいで外食向けやコンビニエンスストア向けの売上が回復基調であり、販売価格改定効果、工場稼働率上昇・生産効率改善、全社的な経費削減への取り組みなどで収益回復基調だろう。なお22年10月1日出荷分より商品価格を改定(約1400品、改定率約1〜30%)している。

■株主優待制度は毎年3月末の株主対象

 株主優待制度は毎年3月末日現在の株主を対象として、保有株式数に応じて当社商品を贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は上値試す

 株価は10月の年初来高値圏から一旦反落したが、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートする形の上昇トレンドであり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。11月9日の終値は1652円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2245円07銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約272億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:57 | アナリスト水田雅展の銘柄分析