■直近の1月高値1742円を更新
マイクロアド<9553>(東証グロース)は、前日15日に寄り付きから買い気配値を切り上げ、大引けで比例配分により300円高の1769円とストップ高し、4営業日ぶりに急反発して直近の1月高値1742円も更新した。東証グロース市場の値上がり率ランキングでも、第7位に躍進する高人気となった。
同社が前々日14日に発表した今2023年9月期第1四半期(2022年10月〜12月期、1Q)業績が、大幅増益で着地し、連続して過去最高を更新すると見込まれている今9月期通期業績に対して高利益進捗率を示したことから、前期業績と同様の業績上方修正を期待して催促する買い物が集中した。また今年1月26日にはインバウンド関連のプラットフォームサービス会社・WAmazing(東京都台東区)との業務提携も発表しており、観光シーズン入りを前に業績を押し上げる側面支援材料視されている。
■粗利率が40%と高いデータプロダクトの売り上げが前年同期比36%増
同社の今期1Q業績は、売り上げ33億5300万円(前年同期比10.6%増)、営業利益3億3300万円(同60.7%増)、経常利益3億1300万円(同68.9%増)、純利益2億1100万円(同68.9%増)と高成長し、9月期通期予想業績に対する利益進捗率は、34%〜43%と目安の25%を大きく上回った。同社は、データプラットフォーム「UNIVERS」と屋外広告、交通広告のデジタルサイネージサービスなどで企業のマーケティング活動の支援や顧客属性の分析レーポートの作成などを展開しているが、1Qは、粗利率が約40%と収益性の高いデータプロダクトの売り上げが、15億5200万円(同36.7%増)と伸び、売り上げ増加に対する追加のコスト発生が限定的だったことが業績高成長要因となった。
今9月期通期業績は期初予想を据え置き、売り上げ129億円(前期比5.5%増)、営業利益7億7100万円(同23.0%増)、経常利益7億7500万円(同30.8%増)、純利益6億600万円(同22.2%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高(4億9600万円)を連続更新する。ただこの業績据え置きは、同社も保守的と認めており、今期第2四半期決算発表時に見直すとしている。
一方、業務提携したWAmazingは、約40万人の会員データを保有する旅行予約サイトを展開しており、同サイトを通じて、国際空港での訪日海外旅行者とのコンタクトポイントで無料SIMカードを提供して日系企業の商品プロモーションを開始するとともに、旅行中の商品紹介、帰国後の越境EC構築のサポートなど「旅マエ・旅ナカ・旅アト」をトータルに支援するマーケティングサービスを推進する。春の旅行シーズン入りを前に業績寄与期待も高まってくる。
■25日線水準での三角保ち合いを一気に上放れ上場来高値にキャッチアップ
株価は、昨年6月に公開価格1410円で新規株式公開(IPO)され、公開価格を下回る1290円で初値をつけ前期業績の上方修正にもかかわらず新興市場株安のなか上場来安値741円まで売られた。同安値からは売られ過ぎ修正に今期業績の連続過去最高更新予想、さらに直近IOP株人気の高まりも加わって上場来高値1995円まで水準を上げた。今年に入って1361円まで再調整したが、1742円とリバウンドし、WAmazingとの業務提携などを手掛かりに25日移動平均線水準での三角保ち合いに煮詰まり感を強めていた。今回のストップ高で保ち合いを上放れて年初来高値1742円も更新しており、上場来高値にキャッチアップしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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2023年02月16日