■ダブルボトム確認で出直り態勢強める
カナレ電気<5819>(東証スタンダード)は、前日19日に18円高の1467円と3営業日続伸して引け、7月25日につけた年初来高値1500円を射程圏に捉えた。今年7月28日に発表した今2023年12月期業績の上方修正と増配を見直し割安株買いが増勢となった。テクニカル的にも年初来高値をつけたあと1300円台下位の安値でダブルボトム(二点底)を確認しており、目先調整一巡として買い評価されている。
■放送システムの更新需要に円安、価格改定効果も上乗せ
同社の今12月期通期業績は、今年4月27日の今期第2四半期(2023年1月〜6月期、2Q)累計業績の上方修正に続いて上方修正された。期初予想より売り上げを4億5500万円、営業利益を2億5000万円、経常利益を2億9000万円、純利益を2億5500万円それぞれ引き上げ、売り上げ116億9500万円(前期比4.8%増)、営業利益11億8000万円(同0.3%増)、経常利益12億7000万円(同0.8%増)、純利益9億1000万円(同4.8%増)と見込み、利益は、期初の減益転換予想が小幅ながら続伸する。
国内では放送市場のイベント機材やライブ中継システムの更新需要、電設市場では公営競技場の更新需要や市街地再開発事業向けの音楽ホールの継続受注、米国では放送市場の4K制作設備の更新需要などが寄与し、中国向けの売り上げも上向き、円安・ドル高の進行や前期実施の価格改定効果が上乗せとなったことなどが要因となった。今期配当は、業績の上方修正とともに連結配当性向40%を目安とする配当方針に基づき期初予想の年間40円(前期実績35円)から51円に増配し、連続増配幅を拡大させる。
■ダブルボトムで調整一巡感を強めPER10倍、PBR0.5倍の修正に再発進
株価は、期初の今期業績の減益予想に欧米銀行破綻による金融システム不安が重なって年初来安値1321円まで売られ、第1四半期決算開示時の今期2Q累計業績の上方修正で1400円台に乗せ、年初来高値1500円まで買い進まれた。今期通期業績の上方修正と増配では材料出尽くし感を強めて下値を探り、8月につけた1355円安値、1354円の安値でダブルボトムを確認して出直り態勢を強めてきた。PERは10.9倍、PBRは0.60倍、配当利回りは3.47%となお割安であり、年初来高値更新から次の上値目標として2022年1月高値1717円、2021年1月高値1894円が意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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2023年09月20日