■株価は上場来高値を目指す
タムロン<7740>(東証プライム)は、前日12日に104円高の4595円と急反発して引け、今年8月15日につけた上場来高値4855円を視野に捉えた。同社は、8月8日に今2023年12月期業績の上方修正と増配を発表しており、純利益が、前期の過去最高を大幅に連続更新することを見直しにハイテクバリュー株買いが再燃した。テクニカル的にも、25日移動平均線を出没する三角保ち合いを上放れており、目先調整一巡感の騰勢加速が期待されている。
■ミラーレスカメラ用レンズが好調で車載カメラ用レンズも需要旺盛
同社の今12月期業績は、今年4月に今期第2四半期(2023年1月〜6月期、2Q)累計業績を期初予想から上方修正し、その2Q累計業績が上方修正値を上ぶれて着地したことから12月期通期業績を上方修正した。期初予想より売り上げを10億円、営業利益を10億円、経常利益を12億円、純利益を10億3000万円それぞれ引き上げたもので、売り上げ710億円(前期比11.9%増)、営業利益125億円(同13.2%増)、経常利益127億円(同10.5%増)、純利益94億円(同12.6%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高(83億5000万円)を大幅に連続更新する。
レンズ交換式カメラ市場でミラーレスカメラが、約2割増となって相次いで発売した新製品の大口径レンズの販売が好調に推移し、監視やFA/マシンビジョン用カメラの日本、欧州の販売が伸び、車載カメラ用レンズも、安全運転支援システムの普及とともに旺盛な需要が続き、コストダウンや生産性向上の原価低減推進効果が上乗せとなったことなどが要因となった。配当は、年間125円(前期実績120円)に連続増配を予定している。
■25日線出没に三角保ち合いを上放れPER10倍の修正で最高値奪回目指す
株価は、今年4月の今期2Q累計業績の上方修正で3725円と買われ、6月の今期配当の増配では、4100円台に乗せ、今期通期業績の上方修正では上場来高値4855円まで上値を伸ばした。同高値後は、前社長の経費私的流用の不祥事が響いて4450円まで下げ、さらに全般相場の波乱とともに4220円と下値を探り、25日線を出没する調整相場が続いた。その25日線を上抜き三角保ち合いを上放れたことからPER10.2倍の割安修正の期待を一段と高めている。上場来高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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2023年10月13日