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2023年11月17日

【注目銘柄】中部鋼鈑は続落も減益転換率縮小の上方修正と減配幅を縮める増配を手掛かりに下げ渋る

 中部鋼鈑<5461>(東証プライム)は、前日16日に5円安の1955円と4営業日続落して引けた。ただ11月8日につけた直近安値1925円を下ヒゲを伸ばして確かめ下げ渋る動きもみせた。今年11月1日に発表した今2024年3月期業績上方修正と増配で、今期業績の減益率が縮小し、配当の前期比減配幅が縮小することを見直し売られ過ぎ修正期待の打診買いが交錯した。テクニカル的にも足元の株価水準が、エリオット波動理論の修正3波の最終局面にあることも意識されている。

■販売価格、鉄スクラップ価格は想定通りに推移し固定資産除却損は想定下回る

 同社の今3月期業績は、売り上げを期初予想より30億円引き下げたが、営業利益、経常利益、純利益を各2億円引き上げ、売り上げ676億円(前期比11.4%減)、営業利益99億円(同19.3%減)、経常利益98億円(同20.5%減)、純利益67億円(同21.9%減)と見込み、前期の過去最高業績からの減益転換率をやや縮小させる。主力の厚板は、産業機械向けが設備投資意欲の減退、建設向け需要も人手不足による工期の遅れで伸び悩み販売数量が当初想定を下回ったが、販売価格は当初想定価格を維持し、電力などのエネルギー価格は上昇したものの鉄スクラップ価格が安定推移し、固定資産除却損が当初想定を下回ったことが要因となった。

 配当は、期初に前期の東証プライム市場上場記念配当込みの年間104円から83円への減配を予想していた。しかし同社の配当方針が、年間60円か配当性向35%のうち大きい方を優先するとしていることから増配し年間86円に引き上げる。

■修正3波の最終からPER8倍、PBR0.7倍、配当利回り4%の割安修正へ

 株価は、昨年12月28日に東証プライム市場に新規上場(IPO)され名証プレミア市場との同時上場となり、プライム市場での初値は1590円でつけ1414円と調整したあと前期業績の上方修正や増配、従業員への特別賞与支給などを材料にIPO後高値2820円まで買い進まれた。同高値後は、今期業績の減益転換・減配予想が響いて25日移動平均線に上値を抑えられる下値調整となり、今期業績の上方修正・増配にも限定的な反応にとどまって1900円台下位での小動きにとどまった。この安値水準は、IPO後高値2820円から1716円安値、1970円安値、1925円安値と調整してきたエリオット波動理論でいわれている修正3波の最終局面とも観測されるもので下値打診買いが交錯した。PERは8.0倍、PBRは0.73倍、配当利回りは4.39%と割安であり、11月1日につけた2142円を上抜き、9月20日につけた戻り高値2325円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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