■鶏卵相場急騰で過去最高益
ホクリョウ<1384>(東証スタンダード)は、9月25日につけた年初来高値1205円を再び視界に捉えている。同社株は、今年11月14日に今2024年3月期の上方修正と増配を発表し、株価はストップ高と窓を開けて急伸したが、年初来高値を前に利益確定売りに押され続落していた。ただその業績修正で純利益が7期ぶりに過去最高を更新し、PER評価も、6.06倍と東証スタンダード市場の低PERランキングの94位とトップ100入りとなっていることを手掛かりに買い再燃となった。同社の主力製品の鶏卵が、クリスマス需要などの需要期入りとなることも先取りされている。
■生産量減少を鶏卵販売価格上昇でカバーして飼料価格コストも安定
同社の今3月期業績は、期初予想より売り上げを5億1500万円、営業利益を6億9800万円、経常利益を7億700万円、純利益を4億500万円それぞれ引き上げ、売り上げ187億6400万円(前期比5.3%増)、営業利益22億4600万円(同70.2%増)、経常利益23億1300万円(同17.1%増)、純利益15億5600万円(同2.08倍)と見込んだ。昨年秋以来の鳥インフルエンザの感染拡大で全国で1700万羽近い採卵鶏が殺処分されて需給ひっ迫で鶏卵相場が急騰し、足元の今期第2四半期の鶏卵相場は、北海道Mサイズで前年同期比97.58円高、東京Mサイズで同113.22円高となお高値をキープしており、この価格上昇で同社農場での感染発生による生産量の減少をカバーし、飼料価格も落ち着き飼料安定基金からの補填も加わり飼料コストが相対的に低下したことなどが要因となっている。
とくに純利益は、前期に固定資産の減損損失10億6900万円を計上し7億4500万円(前々期比37.4%減)と落ち込んだが、この一巡でV字回復し、2017年3月期の過去最高(12億1900万円)を7期ぶりに大幅更新する。配当は、業績上方修正とともに年間40円(前期実績20円)に引き上げ、連続増配幅を拡大させる。
■長期調整幅の3分の2戻しの年初来高値奪回から全値戻しにチャレンジ
株価は、今年4月に同社農場で鳥インフルエンザの感染が確認され殺処分を行ったことで800円台出没の下値もみ合いを続けたが、鶏卵相場上昇とともに下値を切り上げ今期第1四半期の好決算も加わって年初来高値1205円まで買い進まれた。同高値後は、1000円台を試す下値調整となったが、業績の上方修正・増配でストップ高を交えて1144円まで買い直されて高値もみ合いを続けた。この株価水準は、長期トレンドでは2018年1月につけた上場来高値1680円からその後の2020年3月につけた493円安値までの調整幅の半値戻しとなる。PERは6.06倍、PBRは0.87倍、配当利回りは3.58%と割安であり、相場格言の「半値戻しは前値戻し」通りにまず長期調整幅の3分の2戻しとなる年初来高値1205円奪回から全値戻しの上場来高値奪回にチャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)
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2023年11月21日