
■背景
気候変動による影響は、頻発化・激甚化する洪水被害が注目されているが、世界的には中国や米国等における異常渇水の発生など利水被害も深刻で、わが国も例外ではありません。このような異常渇水に対しては、長期的な気象予測をもとに、河川流量を予測しながら、適切な水運用を行うことが求められている。
■技術の特徴、詳細
異常渇水による甚大な被害が想定される首都圏の水がめである利根川・荒川・多摩川水系を対象に、精度向上が顕著な気象予測データと流出予測技術を活用した低水予測システムを開発した。
同システムは、(一財)気象業務支援センター(JMBSC)から毎週配信される1か月先の予測雨量をもとに、流域からの流出量と河川流量を予測し、流況に応じたダムからの補給や取水制限など渇水時の運用を考慮・反映できるようにしている。
予測結果の配信は、当社開発のRisKma(水災害リスクマッピングシステム)と連動させることにより、行政、民間等幅広い利水関係者への情報提供や合意形成の一助としていただくことを想定している。
■今後の展望
首都圏を対象とした本システムの本格的な稼働は2024年度を予定している。現在は、首都圏のみを対象としているが、今後は全国版へと拡張し、日本全域の渇水リスクに対応していくとしている。
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