■業績好調、信用倍率高水準
ベースフード<2936>(東証グロース)は、前日12日に4円安の490円と6営業日続落した。東証グロース市場指数が、1.91%安と急反落したことにツレ安したが、ただ取引時間中には10円高の502円と反発する場面があり、この日の安値484円からは小戻して引けた。10月23日に発表したカビが発生した同社の一部商品の自主回収は織り込み済みとして下値では売られ過ぎ修正の買い物が交錯した。同社は、今年10月13日に今2024年2月期業績の上方修正も発表しており、自主回収による業績への影響額が限定的となることが手掛かりとなっている。テクニカル的にも自主回収でストップ安し、自主回収の損失額を発表して今度はストップ高と切り返し、この時開けた窓を埋める往って来いとなっており、仕切り直し期待を高めている。
■自主回収の影響額は合計約3億6000万円にとどまり限定的
同社は、フードテック企業として完全栄養パン「BASE BREAD」を開発・製造・販売しているが、特定製造工場で製造した「BASE BREAD シナモン」などの一部商品にカビが発生し、合計約76万袋を自主回収する素早い対応を取った。この自主回収の影響額は、返金に伴う影響が約3億3000万円で今2月期第3四半期(2023年3月〜11月期、3Q)の売り上げから控除するほか、回収費用が3000万円となり、影響は限定的にとどまる。また同社ECサイトの定期解約者数は一時増加したものの、現在ではカビ発生前の水準に戻ってきている。
一方、同社の今2月期業績は、期初予想より売り上げが10億2100万円、利益が3億7700万円〜4億4900万円それぞれ上方修正され、売り上げ171億円(前期比73.4%増)、営業利益4億4200万円の赤字(前期は9億7000万円の赤字)、経常利益4億3000万円の赤字(同9億9500万円の赤字)、純利益3億7900万円の赤字(同10億800万円の赤字)と見込まれ、売り上げは大幅続伸し、利益は赤字幅縮小となる。今期3Q決算は、来年1月15日に発表予定であり、どのような着地、進捗率となるか注目されている。
■急落幅の半値戻しは往って来いも信用倍率2.2倍の好需給で仕切り直し
株価は、今期業績の上方修正でつけた年初来高値818円から自主回収でストップ安して416円と売られたが、自主回収に伴う影響額が限定的としてストップ高を交えて599円まで上昇して急落幅の半値戻しをクリアし、往って来いとなった。この間、信用売り残が増加するとともに信用買い残は減少して信用取組倍率は2.2倍と好需給となっている。売り方・買い方の攻防のなか売られ過ぎ修正で、再度の半値戻しの599円奪回へ仕切り直しし、全値戻しの818円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)
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2023年12月13日