■電力株と電気工事株の値幅効果に注目
超強気相場の裏側に潜むリスクとチャンスを探る。業績相場で天国銘柄と地獄銘柄が分かれる中、米国の金利と為替の動向にも注目が集まる。日銀の金融政策の方向性も重要なファクターとなる。円高メリット株の復活の可能性も視野に入れるべきだ。特に電力株は、業績上方修正や電気料金引き下げなどでベース銘柄としての魅力を取り戻しつつある。
■黒字転換幅拡大でPERはわずか3〜6倍台、PBRも1倍割れ
電力株は、1月31日に6社が揃って今3月期業績の上方修正を発表し、黒字転換幅を拡大したが、このうち株価がプラス反応した2社が中心となりそうだ。九州電力<9508>(東証プライム)と北海道電力<9509>(東証プライム)で、両社とも今期2回目の上方修正で、九州電力は年間配当も増配しており、株価は昨年来高値を更新した。中部電力も、昨年10月期に上方修正した今3月期予想業績を据え置いたが、今期第3四半期の純利益は、通期予想業績をすでに上回って着地しており、年間配当を55円に増配予定である。電力株の業績は、前期の赤字業績から今期黒字転換し、配当も前期の無配から復配を予定し、株価もPER3倍台〜6倍台、PBRも1倍割れと低位評価に甘んじており、一段のリバウンドが期待される。
またJパワー<9513>(東証プライム)は、今3月期業績は下方修正されているが、第3四半期の純利益が、この通期予想純利益に対して高利益進捗しており、前週末2日に昨年来高値を更新した。同じ公益産業のガス株で今3月期業績を2回上方修正して前期比減益転換率を縮小させた東邦ガス<9533>(東証プライム)とともに要注目となる。
■電気工事株は昨年来高値更新も低PER・PBR修正でなお値幅効果
電力ファミリーの電気工事株でも、業績の上方修正が北海電気工事<1832>(札証)、ユアテック<1934>(東証プライム)、四電工<1939>(東証プライム)、トーエネック<1946>(東証プライム)と続き、電力株高を強力サポートする。また業績上方修正とともに増配を発表しており、四電工の増配は、株主還元方針変更による前回の増配に次ぐ今期2度目となる。きんでん<1944>(東証プライム)は、今3月期業績そのものは期初予想の据え置きとしたが、配当を増配するとともに450万株(発行済み株式総数の2.23%)、総額80億円の自己株式取得を実施中で250万株(同1.22%)の自己株式消却も予定している。
各社の株価は、この業績上方修正と増配などにより昨年来高値まで買い進まれているが、PERは9倍〜13倍と割安であり、PBRは揃って1倍を割れている。また配当利回りは四電工が3.80%、トーエネックは3.66%とっている。値幅効果は、大型株の電力株をオーバーしそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)
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2024年02月05日