(決算速報)
アルコニックス<3036>(東証プライム)は2月8日の取引時間中に24年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。自動車関連が回復基調となったものの、IT端末機器の需要低迷が続いたため全体として減収・減益だった。そして通期の減益予想を据え置いた。24年3月期は需要回復遅れの影響を受けるが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復を期待したい。株価は第3四半期累計業績も嫌気して戻り高値圏から反落の形となったが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、目先的な売りが一巡して戻りを試す展開を期待したい。
■24年3月期3Q累計減益で通期減益予想据え置き
24年3月期第3四半期累計(23年4月〜12月)の連結業績は、売上高が前年同期比3.6%減の1308億46百万円、営業利益が41.2%減の42億63百万円、経常利益が41.5%減の44億76百万円、親会社株主帰属四半期純利益が45.0%減の28億01百万円だった。なおEBITDA(参考)は16.9%減の78億12百万円だった。自動車関連が回復基調となったものの、IT端末機器の需要低迷が続いたため全体として減収・減益だった。
セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通が56.0%減の20億56百万円(電子機能材が50.7%減の16億63百万円、アルミ銅が69.8%減の3億92百万円)で、製造が19.2%減の24億16百万円(装置材料が59.1%減の4億53百万円、金属加工が4.2%増の19億63百万円)だった。
商社流通ではアルミ、銅、ニッケルの市況下落が継続した。需要面では自動車関連のアルミ原料の取扱高が増加したものの、IT端末機器の需要低迷が続いたため電子・電池材料や伸銅品の取扱量減少を補いきれなかった。利益面は減収影響に加え、販管費の増加も影響した。製造では自動車生産の回復に伴って自動車関連製品の出荷が増加し、新規連結した子会社の収益も加わったため増収だが、利益面は原材料価格高騰に伴う仕入コスト上昇により減益だった。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が423億70百万円で経常利益が15億30百万円、第2四半期は売上高が413億87百万円で経常利益が15億03百万円、第3四半期は売上高が470億89百万円で経常利益が12億58百万円だった。
通期連結業績予想(23年11月7日付で下方修正)は据え置いて売上高が23年3月期比0.7%減の1770億円、営業利益が26.1%減の62億円、経常利益が24.2%減の62億円、親会社株主帰属当期純利益が23.2%減の42億16百万円、EBITDA(参考)が16.7%減の110億30百万円としている。配当予想は23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。
セグメント別の利益(23年11月7日付修正)計画は、商社流通が35.0%減の31億円(電子機能材が19.5%減の29億円、アルミ銅が82.9%減の2億円)で、製造が9.2%減の31億円(装置材料が29.9%減の7億円、金属加工が0.7%減の24億円)としている。
第3四半期累計の進捗率は売上高74%、営業利益69%、経常利益72%、親会社株主帰属当期純利益67%、EBITDA71%である。24年3月期は需要回復遅れの影響を受けるが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復を期待したい。
■株価は戻り試す
株価は第3四半期累計業績も嫌気して戻り高値圏から反落の形となったが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、目先的な売りが一巡して戻りを試す展開を期待したい。2月8日の終値は1384円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS139円89銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約3.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約430億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)
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2024年02月09日