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2024年05月09日

インフォマートは反発の動き、24年12月期1Q大幅増収増益と順調

 インフォマート<2492>(東証プライム)は、企業間の商行為を電子化する国内最大級のクラウド型BtoB電子商取引プラットフォーム(飲食業向けを中心とする受発注、全業界を対象とする請求書など)を運営している。24年12月期も大幅増収増益・連続増配予想としている。引き続き利用企業数が順調に増加し、人件費などコスト増加を吸収する。24年8月に受発注の料金改定を実施することも寄与する見込みだ。第1四半期は大幅増収増益と順調だった。期末に向けてストック収益が積み上がることを勘案すれば第1四半期の進捗率は順調であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は第1四半期業績に対してややネガティブ反応となったが、目先的な売りが一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■国内最大級のBtoB(企業間電子商取引)プラットフォーム

 企業間の商行為を電子化する国内最大級のクラウド型BtoBプラットフォームを運営している。24年3月には、食品卸と個人飲食店の受発注デジタル化サービスを展開するタノム(21年2月に資本業務提携)を子会社化した。

 主なプラットフォームとしては、BtoB−PF FOOD事業では飲食店(主に外食チェーン)と食材卸・メーカー間の受発注業務を電子化する受発注、小・中規模飲食店向けの受発注ライト、食の安全・安心に関わる商品規格書を電子管理する規格書、LINEを使った発注が可能なTANOMU、店舗オペレーション管理ツールのV―Manage、BtoB−PF ES事業では全業界を対象に請求書発行・受取業務を電子化する請求書、安心・安全な契約書管理を実現する契約書、取引先との見積書・発注書・納品書・検収書をデジタル化するTRADE、業務用食品食材の商談をデジタル化する商談などがある。また、多様な価値提供の一環および新たな収益源育成に向けて、100万社の顧客基盤に基づく商流データを活用したBtoB Financeを開発中(一部機能をリリース済み)である。

 23年1月にはBtoBプラットフォーム契約書がサイバートラスト<4498>のiTrustと連携し、新機能「社内文書署名機能」で作成された電子証明書が法務省の商業・法人登記のオンライン申請に利用可能な電子証明書として認定された。23年7月には自治体のLGWAN(総合行政ネットワーク)に対応したBtoBプラットフォーム on LGWANを本格稼働、23年12月には紙やPDFなど様々な形式で受け取る請求書をAI OCRでデータ化するサービス「BP Storage for 請求書」の提供を開始した。

 なお23年12月期の売上高は、BtoB−PF FOOD事業が84億47百万円、BtoB−PF ES事業が49億16百万円だった。主な収益は利用企業から得る使用料収入およびセットアップ費用である。受発注ではフード業界の買い手企業(外食チェーン、ホテル、給食等)から得る月額システム使用料、売り手企業(食材メーカー・卸等)から得る定額制または流通金額に係る従量制のシステム使用料、請求書ではシステム使用料(基本料金+従量制)などが柱となっている。

■26年12月期営業利益50億円目標

 中期業績目標値には26年12月期売上高200億円、営業利益50億円、売上高営業利益率25%を掲げ、5年間平均のCAGR(売上高成長率)は全社16%(FOOD事業8%、ES事業30%)としている。

 中期経営方針として、本業であるBtoBプラットフォームの強化(新サービス・新プロダクツを含む機能強化、販売力強化、認知度向上、CS向上など)、増収増益基調の継続と高収益性への回帰、出資先のシナジー拡大と収益化を掲げている。

 なおFood Techに特化したファンドを設置し、20年6月にはAIを活用した飲食店向けの自動発注クラウドサービス「HANZO自動発注」を開発・提供するGoalsに出資して資本業務提携(22年6月に追加出資)した。23年6月には、国内の旅館・宿泊業の再生支援を行うRQ旅館再生ファンド投資事業有限責任組合に出資した。

■利用企業数は増加基調

 利用企業数の増加に伴って収益が拡大するストック型収益モデルである。利用企業数は増加基調で、23年12月期末の全社ベースの利用企業数は22年12月期末比18万5502社増加の101万1176社、事業所数は36万1904事業所増加の188万8288事業所となった。主要なプラットフォームでは、受発注の買い手企業が273社増加の3915社、買い手店舗が4088店舗増加の7万2468店舗、売り手企業が2016社増加の4万4044社だった。請求書は18万5737社増加の100万2514社となり100万社を突破した。有料契約企業は3193社増加の1万1808社(受取モデルが1631社増加の6913社、発行モデルが1562社増加の4895社)となった。

 国内最大級のBtoBプラットフォームである。23年12月にはBtoBプラットフォーム請求書が東京商工リサーチの調査において請求書クラウドサービス市場国内シェアNO.1を3年連続で獲得した。BOXIL SaaS AWARD Autumn 2024においては、BtoBプラットフォーム請求書が請求書発行部門で、BtoBプラットフォーム受発注が受発注管理システム部門で、それぞれ1位を受賞している。

■アライアンスも積極推進

 アライアンス戦略も積極推進している。21年3月には三井物産と共同出資で特別目的会社I&Mを設立し、中国フードテック企業のトップAcewillのグループ会社である博君と資本業務提携、22年4月にはプロダクト・データ・プラットフォームを開発・提供するLazuliに出資した。

 21年10月に串カツ田中ホールディングス<3547>と業務提携して設立した合弁会社Restartz(リスターツ)は、22年11月に飲食店舗運営のDXを支援する店舗オペレーション管理アプリ「V−Manage」をリリースし、23年4月に串カツ田中ホールディングスの全ての直営店舗(155店舗)への導入を開始した。そして23年8月末に利用企業数が100社を突破した。

 23年2月にはDeepworkと協業して、24年1月に完全義務化される電子帳簿保存法に対応した新サービスSTORAGE by invoxの提供を開始した。23年3月にはDeepworkと協業した新機能「発注書AI−OCR(invox)」を提供開始した。

■24年12月期1Q大幅増収増益と順調、通期も大幅増収増益予想

 24年12月期の連結業績予想は売上高が23年12月期比20.4%増の160億86百万円、営業利益が20.4%増の10億円、経常利益が23.5%増の7億80百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が特別損失一巡も寄与して80.6%増の5億39百万円としている。配当予想は23年12月期比57銭増配の1円54銭(第2四半期末77銭、期末77銭)としている。連続増配予想で予想配当性向は64.7%となる。

 大幅増収増益予想としている。引き続き利用企業数が順調に増加し、人件費などコスト増加を吸収する見込みだ。

 第1四半期は、売上高が前年同期比16.7%増の35億19百万円、営業利益が38.4%増の2億29百万円、経常利益が52.7%増の2億27百万円、親会社株主帰属四半期純利益が104.9%増の2億02百万円だった。

 大幅増収増益と順調だった。利用企業数が増加し、戦略投資によるコスト増加を吸収した。第1四半期末の全社ベースの利用企業数は前年同期比21.6%増の104万3934社となり、ストック収益率は95.9%だった。

 営業利益+63百万円の増減分析は、BtoB−PF ES事業の売上増加+3億42百万円、BtoB−PF FOOD事業の売上増加+1億61百万円、データセンター費増加▲1億45百万円、ソフトウェア償却費増加▲11百万円、売上原価における手数料(BtoBプラットフォーム請求書におけるアライアンスパートナーへの紹介手数料)増加▲1億06百万円、反感における人件費増加▲62百万円、販売促進費減少+46百万円、支払手数料(BtoBプラットフォーム受発注およびBtoBプラットフォーム請求書の稼働業務の外注費)増加▲99百万円、その他販管費増加▲60百万円だった。なお一時的なコストアップ要因として、データセンターのクラウド化に向けた検証を実施したためサーバー関連費用が増加したほか、タノムを子会社化したことに伴い支払手数料が増加した。

 BtoB−PF FOOD事業は、売上高が前年同期比8.1%増の21億64百万円で、営業利益が37.9%減の2億96百万円だった。売上高の内訳は受発注が7.5%増の15億29百万円、受発注ライト&TANOMUが24.7%増の1億80百万円、その他が4.4%増の4億53百万円だった。利用企業数の増加に伴いフード業界の買い手企業(外食チェーン、ホテル、給食等)および店舗からのシステム使用料売上が増加し、外食の復調に伴う食材流通金額の増加により売り手企業からの従量制システム使用料も増加した。利益面は、拡販に向けた営業人員および営業サポート人員の補強に伴う人件費の増加に加え、タノムを子会社化したことに伴う支払手数料の増加も影響した。

 BtoB−PF ES事業は、売上高が33.8%増の13億55百万円で、営業利益が67百万円の損失(前年同期は3億12百万円の損失)だった。売上高の内訳は請求書が36.7%増の10億41百万円、TRADEが124.2%増の65百万円、その他が11.9%増の2億48百万円だった。企業のデジタル化推進などにより有料利用企業数が大幅に増加し、増収効果で営業損失が大幅に縮小した。

 通期予想は据え置いている。事業別売上高計画はBtoB−PF FOOD事業が15.6%増の97億67百万円、BtoB−PF ES事業が28.5%増の63億18百万円としている。BtoB−PF FOOD事業では、フード業界におけるデジタル化進展で利用企業数が増加することに加え、24年8月に受発注の料金改定を実施することも寄与する見込みだ。BtoB−PF ES事業では、請求書の新規有料契約企業数の増加に加え、既存有料契約企業における請求書の電子化進展によってARPUが上昇することも寄与する見込みだ。

 営業利益+1億70百万円の増減分析計画は、BtoB−PF ES事業の売上増加+14億02百万円、BtoB−PF FOOD事業の売上増加+13億20百万円、データセンター費増加▲35百万円、ソフトウェア償却費増加▲1億15百万円、売上原価における手数料(BtoBプラットフォーム請求書におけるアライアンスパートナーへの紹介手数料)等増加▲4億82百万円、人件費増加▲6億13百万円、販売促進費増加▲2億36百万円、販管費における支払手数料(BtoBプラットフォーム受発注およびBtoBプラットフォーム請求書の稼働業務の外注費)増加▲6億40百万円、その他販管費増加▲3億98百万円としている。データセンター費の増加は概ね一巡した。

 第1四半期の進捗率は売上高が22%、営業利益が23%、経常利益が29%、当期純利益が37%だった。期末に向けてストック収益が積み上がることを勘案すれば第1四半期の進捗率は順調であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は反発の動き

 株価は第1四半期業績に対してややネガティブ反応となったが、目先的な売りが一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。5月8日の終値は335円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS2円38銭で算出)は約141倍、今期予想配当利回り(会社予想の1円54銭で算出)は約0.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS46円66銭で算出)は約7.2倍、時価総額は約869億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 09:36 | アナリスト水田雅展の銘柄分析