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2024年05月20日

綿半ホールディングスは上値試す、25年3月期増収増益・10期連続増配予想

 綿半ホールディングス<3199>(東証プライム)は、経営方針に「地域に寄り添い、地域と共に新しい価値を創造する」を掲げ、ホームセンターを中心とする小売事業、長尺屋根工事や自走式立体駐車場工事を強みとして戸建木造住宅分野にも展開する建設事業、および医薬品・化成品向け天然原料輸入を主力とする貿易事業を展開している。24年3月期は建設事業の前期の大型案件の反動で減収だが、小売事業と貿易事業の好調が牽引して計画を上回る増益で着地した。そして25年3月期は増収増益・10期連続増配予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は20年以来となる3月の高値圏から反落してモミ合う形だが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■小売事業、建設事業、貿易事業を展開

 ホームセンターを中心とする小売事業、長尺屋根工事や自走式立体駐車場工事を強みとして戸建木造住宅分野にも展開する建設事業、および医薬品・化成品向け天然原料輸入を主力とする貿易事業を展開している。

 24年3月期のセグメント別業績は、小売事業の売上高(外部顧客への売上高)が788億68百万円で営業利益(全社費用等調整前)が13億60百万円、建設事業の売上高が403億24百万円で営業利益が11億54百万円、貿易事業の売上高が76億69百万円で営業利益が11億47百万円、その他(不動産事業など)の売上高が12億09百万円で営業利益が1億11百万円、営業利益の全社費用等調整額が▲9億58百万円だった。

■小売事業はEDLP×EDLC戦略を推進

 小売事業は、綿半ホームエイドが長野県を中心にスーパーセンター業態とホームセンター業態、綿半フレッシュマーケットが愛知県を中心に食品スーパー業態、綿半Jマートが関東甲信越エリアにホームセンター業態を展開している。

 基本戦略として、M&Aも活用したエリア拡大と売場面積拡大、EDLP(エブリデー・ロー・プライス)×EDLC(エブリデー・ロー・コスト)戦略、子会社の綿半パートナーズによるグループ商品仕入原価低減とPB商品共同開発・相互供給、全社を一本化する新基幹システムの導入と物流改革、ネット通販の拡大などを推進している。

 スーパーセンターは10万点を超える豊富な品揃えに加えて、生鮮食品を加えることで主婦層を取り込んでいることが特徴である。中心市街地型店舗開発も推進しており、22年9月には長野市中心部・行政庁舎に近い権藤地区に綿半スーパーセンター権堂店をオープンした。生鮮食品、ホームセンター商品、医薬品、各種テナントを含めた複合型店舗としての出店である。24年3月には、長野県内南信地域で食品スーパーマーケットを展開するキラヤと綿半ホームエイドの共同配送拡大、および長野県と北陸3県にファミリーレストランや焼肉店を展開するあっぷるアイビーと綿半ホームエイドの肉類の共同配送を本格的に開始すると発表した。

 M&Aでは、18年12月に家電・パソコン通販サイト「PCボンバー」運営のアベルネット(現:綿半ドットコム)を子会社化、19年4月に長野県内で「お茶元みはら胡蝶庵」を展開する丸三三原商店(現:綿半三原商店)を子会社化、20年10月に家具・インテリア販売や空間デザイン事業を展開するリグナ(東京都)を子会社化、20年11月に調剤薬局併設ドラッグストアを展開するほしまん(長野県)を子会社化、21年3月に組立家具「Shelfit」製造販売の大洋(静岡県)を子会社化、21年11月にヴィンテージスタイルの家具・インテリアショップ「藤越 FUGGICOSI」を展開する藤越(静岡県)を子会社化、22年4月に建物管理・不動産売買のAIC(東京都新宿区)を子会社化、藤越とリグナを合併(新社名リグナ)した。22年7月には中村ファームを子会社化(綿半ファームへ商号変更)して養豚事業に参入した。

 23年3月には子会社の綿半ホームエイドを通じて小諸動物病院の全株式を取得した。綿半ドラッグと連携した動物用医薬品の取り扱い、犬猫療法食等の企画販売、店舗におけるワクチン投与やトリミング事業の展開など、幅広くペット市場に参入する方針としている。24年4月には、養豚事業者向けに生産管理システムを開発・提供するEco―Porkと資本業務提携した。Eco―Porkは経済産業省が運営するインパクトスタートアップ育成支援プログラム「J―Startup Impact」に選定されている。

 小売事業の月次売上(速報値)を見ると24年4月は全店が98.9%、既存店が99.3%だった。前年に比べて休日が1日少なかったことなどで前年同月比マイナスだったが、新商品導入や売場拡充等を行ったPB商品が好調に推移した。

■建設事業は長尺屋根工事や自走式立体駐車場工事に強み、木造住宅も拡大

 建設事業は、綿半ソリューションズが建築・土木・住宅リフォーム工事、鉄骨・鋼構造物の加工・製造などを展開し、長尺屋根工事および自走式立体駐車場工事を強みとしている。長尺屋根工事は、工場の操業を止めずに老朽化した屋根の改修工事を行う「WKカバー工法」で特許を取得している。自走式立体駐車場工事は、柱が少なく利用者が使いやすい「stage W」など、多数の国土交通省認定を有して国内トップシェアを誇っている。

 19年8月に戸建木造住宅FC事業を展開するサイエンスホーム(静岡県)を子会社化、21年8月に戸建木造住宅販売・加盟店運営の夢ハウス(新潟県)を子会社化するなど、木造住宅分野も注力している。22年12月には、自然素材・天然無垢材で造る木造住宅の新ブランド「cotton1/2」(木造軸組パネル工法)を発表した。子会社の綿半林業の生産ラインと品質、および子会社のサイエンスホームの合理化工法と販売戦略を合わせて、第3の住宅グループとして23年1月より始動した。23年5月には木造システム建築「PREST WOOD」を販売開始した。

 23年6月には綿半ソリューションズが埼玉県川島町および東急不動産と、川島町における持続可能なまちづくりに係る協定書締結を発表した。再生可能エネルギー導入拡大を推進する。23年9月には綿半リアルエステートが、アメリカ生まれの炭酸を利用した環境に優しいカーペットやイス・ソファーのクリーニングシステム「ケムドライシステム」諏訪営業所を開設した。綿半グループは約20年前から日本における総代理店としてFC展開し、全国約50の施工代理店が理想的な清潔空間の維持を提供している。

 24年1月には綿半ソリューションズ静岡工場の新事務所棟が竣工した。事務所機能だけでなく、生産性向上・環境配慮という機能を持った事務所兼倉庫に生まれ変わった。また、23年8月にスポンサー支援契約を締結した木材加工品製造・販売の征矢野建材について、24年4月1日付で連結子会社化(24年6月1日付で社名を綿半建材に変更予定)した。

■貿易事業はジェネリック医薬品向け天然原料などを販売

 貿易事業は、医薬品・化成品向け天然原料輸入専門商社の綿半トレーディングが展開している。ジェネリック医薬品向けアセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)や、メキシコ特産でヘアワックス・口紅などに使用するキャンデリラワックス(取り扱い数量国内1位)など特定分野に強みを持ち、製造部門はHMG(ヒト尿由来の排卵障害治療薬)原薬を製造して医薬品メーカーに販売している。

 23年1月には綿半トレーディングが、果実・野菜等の食品輸入を展開するカサナチュラルの株式20%取得して資本業務提携した。天然原料の新規開拓・調達を加速し、グループ小売業店舗で取り扱う食品の拡充にも取り組む方針としている。24年1月には綿半トレーディングが、世界的な化学・エネルギー器用であるSasol Chemicals社と、日本のパーソナルケア市場における独占販売代理店契約を締結した。化粧品原料ラインナップの強化および販売拡大に取り組む。

■中期経営計画

 23年5月に策定した新中期経営計画(24年3月期〜27年3月期)では、経営方針を引き続き「地域に寄り添い地域と共に新しい価値を創造する」として、目標数値には最終年度27年3月期の売上高1500億円、経常利益45億円、経常利益率3.0%を掲げている。

 地域との繋がりを大切にしながら、地域の発展に尽くすとともに、目標数値達成に向けて諸施策を実践し、企業価値向上を図るとしている。なお23年5月には、綿半グループ従業員持株会の奨励金付与率引き上げを発表した。また、従業員の生活支援とモチベーション向上を目的として、物価支援一時金の支給(23年3月に5万円支給)に加え、最大12%の賃上げ(持株会の奨励金付与率引き上げを含む)を実施した。

■24年3月期は増益着地、25年3月期は増収増益・10期連続増配予想

 24年3月期の連結業績は、売上高が23年3月期比4.6%減の1280億72百万円、営業利益が17.5%増の28億22百万円、経常利益が5.9%増の32億37百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が12.2%増の18億54百万円だった。配当は23年3月期比1円増配の23円(期末一括)とした。9期連続増配で、配当性向は24.7%となる。

 売上面は建設事業の前期の大型案件の反動で減収だったが、小売事業と貿易事業の好調が牽引して計画を上回る増益で着地した。なお営業外収益では保険解約返戻金が1億30百万円減少、特別利益では固定資産売却益1億99百万円を計上、特別損失では減損損失2億55百万円を計上した。

 小売事業は売上高が1.6%増の788億68百万円、営業利益(全社費用等調整前)が78.4%増の13億60百万円だった。売上面は前期にオープンした2店舗(綿半スーパーセンター上田店、綿半スーパーセンター権堂店)も寄与して増収、利益面は物流効率化やオリジナル商品の開発加速なども寄与して大幅増益だった。

 建設事業は売上高が18.7%減の403億24百万円、営業利益が38.9%減の11億54百万円だった。前期に大型物件が集中した反動や住宅市況低迷の影響などにより減収減益だった。

 貿易事業は売上高が27.8%増の76億69百万円、営業利益が98.9%増の11億47百万円だった。医薬品・化成品原料の販売が好調に推移して大幅増収増益だった。その他(不動産事業など)は売上高が11.7%増の12億09百万円、営業利益が33.6%減の1億11百万円だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が297億62百万円で営業利益が2億40百万円、第2四半期は売上高が322億16百万円で営業利益が7億92百万円、第3四半期は売上高が341億66百万円で営業利益が11億48百万円、第4四半期は売上高が319億28百万円で営業利益が6億42百万円だった。

 25年3月期連結業績予想は売上高が24年3月期比3.1%増の1320億円、営業利益が12.3%増の31億70百万円、経常利益が4.1%増の33億70百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が2.5%増の19億円としている。配当予想は24年3月期比1円増配の24円(期末一括)としている。10期連続増配で予想配当性向は25.2%となる。

 セグメント別の計画は、小売事業の売上高が0.7%増の794億24百万円で営業利益(全社費用等調整前)が24.7%増の16億97百万円、建設事業の売上高が7.5%増の433億60百万円で営業利益が36.5%増の15億75百万円、貿易事業の売上高が2.8%増の78億84百万円で営業利益が22.5%減の8億89百万円、その他(不動産事業など)の売上高が10.2%増の13億32百万円で営業利益が19.8%増の1億33百万円、営業利益の全社費用等調整額が▲11億32百万円としている。25年3月期も積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年9月末時点の継続保有株主対象

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年9月30日現在で1単元(100株)以上を継続保有している株主を対象として、2000円相当の綿半オリジナル信州特産品を贈呈(保有株式数に応じて選択)している。なお23年11月2日に株主優待制度の拡充を発表した。従来の継続保有100株以上(1点選択)または300株以上(2点選択)という区分に加えて、継続保有1000株以上(3点選択)という優待区分を新設する。24年9月末対象から実施する。

■株価は上値試す

 株価は20年以来となる3月の高値圏から反落してモミ合う形だが、週足チャートで見ると13週移動平均線が支持線の形となっている。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。5月17日の終値は1546円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円33銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の24円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1143円40銭で算出)は約1.4倍、時価総額は約308億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:13 | アナリスト水田雅展の銘柄分析