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2024年09月11日

アスカネットは25年4月期1Q減益(赤字化)だが計画水準、通期2桁増益予想据え置き

(決算速報)
 アスカネット<2438>(東証グロース)は9月9日に25年4月期第1四半期連結業績を発表した。前期第3四半期から連結決算に移行したため前年同期の非連結業績との単純比較で見ると、増収ながら減益(赤字化)だった。フォトブック事業の需要回復が遅れていることに加え、人件費や営業経費の増加などが影響した。ただし概ね計画水準だったため通期2桁増益予想を据え置いた。通期ベースでの収益拡大を期待したい。なお大丸東京店で開催中(9月4日〜17日)の「X Games Chiba 2024 POP UP SHOP」に、ASKA3Dを活用した大型空中サイネージ「5連壁面サイネージ」が採用されている。株価は第1四半期業績を嫌気する反応となったが、目先的な売り一巡後は反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■25年4月期1Q減益(赤字化)だが通期2桁増益予想据え置き

 25年4月期第1四半期の連結業績は売上高が17億10百万円、営業利益が25百万円の損失、経常利益が25百万円の損失、親会社株主帰属四半期純利益が23百万円の損失だった。前期第3四半期から連結決算に移行したため前年同期の非連結業績(売上高16億09百万円、営業利益28百万円、経常利益34百万円、親会社株主帰属四半期純利益22百万円)との単純比較で見ると、増収ながら減益(赤字化)だった。フォトブック事業の需要回復が遅れていることに加え、人件費や営業経費の増加などが影響した。

 セグメント別(内部売上・全社費用等調整前)に見ると、葬儀関連のフューネラル事業は売上高が7億81百万円で営業利益が1億32百万円(前年同期は売上高が7億18百万円で営業利益が1億19百万円)だった。増収増益と順調だった。売上面は自社営業強化によって新たな葬儀社との契約獲得が順調に進展し、遺影写真加工サービスが伸長した。利益面は、画像加工部門のオペレーターを積極的に採用(新卒)したことに加えて、クラウドサービス利用料の増加などでコストが増加したものの、増収効果で吸収した。

 写真集関連のフォトブック事業は売上高が8億92百万円で営業利益が98百万円(同、売上高が8億58百万円で営業利益が1億59百万円)だった。売上面は、プロフェッショナル写真家向け「アスカブック」が前期にコロナ禍待機の解消でウエディング関連が好調だった反動で苦戦したことに加え、一般消費者向け「マイブック」とOEMが海外旅行回復遅れや撮影写真アウトプット減少の影響で厳しい状況が継続した。利益面はコスト削減を推進したものの、原材料価格高騰や人件費増加の影響で減益だった。

 空中結像プレートASKA3Dの空中ディスプレイ事業は、売上高が37百万円で営業利益が85百万円の損失(同、売上高が34百万円で営業利益が86百万円の損失)だった。自社営業による国内外向け販売が一定の成果を上げたものの、海外代理店経由の販売が低調だった。利益面は、専門人員採用に伴う人件費の増加や積極的な営業活動による営業経費の増加があったが、セグメント損失は想定を下回った。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が23年4月期比9.7%増の77億20百万円、営業利益が16.2%増の5億20百万円、経常利益が12.9%増の5億35百万円、親会社株主帰属当期純利益が前期の特別損失に計上した投資有価証券評価損の剥落も寄与して51.4%増の3億24百万円としている。配当予想は24年4月期と同額の7円(期末一括)としている。予想配当性向は35.5%となる。

 フューネラル事業の堅調推移、フォトブック事業における生産効率化、空中ディスプレイ事業の拡販に加え、前期計上したM&A費用や特別損失の剥落なども寄与する見込みだ。セグメント別売上高の計画は、葬儀関連のフューネラル事業が4.8%増の34億40百万円、写真集関連のフォトブック事業が11.7%増の40億40百万円、空中結像プレートASKA3Dの空中ディスプレイ事業が71.4%増の2億50百万円としている。

 売上面は、フューネラル事業では新規顧客の積み上げなどによって堅調な増収を見込む。フォトブック事業では市場環境の回復を楽観視できないものの、新商材の取り扱い開始やBET社の新規連結により増収を見込む。空中ディスプレイ事業ではサイネージ用途での高単価案件の獲得に注力する。利益面は、フューネラル事業ではオペレーションセンターの効率的な運営を推進して利益率の維持を目指す。フォトブック事業ではM&A費用の剥落や生産効率化により増益を見込む。なおBET社についてはPMI関連費用が発生するため、のれん償却を加味すると利益寄与は限定的の見込みとしている。空中ディスプレイ事業では増収や粗利益率改善の効果で損失縮小を目指す。

 第1四半期は赤字だったが、下期が需要期となる季節要因がある。積極的な事業展開により、通期ベースでの収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡して反発の動き

 株価は第1四半期業績を嫌気する反応となったが、目先的な売り一巡後は反発の動きを強めている。出直りを期待したい。9月10日の終値は535円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS19円73銭で算出)は約27倍、今期予想配当利回り(会社予想の7円で算出)は約1.3%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS374円12銭で算出)は約1.4倍、そして時価総額は約93億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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