2024年09月12日
【どう見るこの株】Faber Companyは3Q高進捗業績を手掛かりに割安直近IPO買いは交錯
■半値戻しから全値戻しへの再発進に期待
Faber Company<220A>(東証スタンダード)は、前日11日に28円安の749円と反落して引けた。日経平均株価が、539円安と7営業日続落し、東証スタンダード市場指数も1.57%安と反落したことから、今年8月6日に売られた上場来安値684円からの底上げ途上にある同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ取引時間中には789円と買われる場面もあり、今年7月31日に新規株式公開(IPO)されたあとの8月14日に発表したIPO後初決算となる今2024年9月期第3四半期(2023年10月〜2024年6月期、3Q)業績が増収増益で着地し、今9月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことを手掛かりに割安直近IPO買いが交錯した。テクニカル的にもIPO時に買われた上場来高値1388円から上場来安値までの調整幅の3分の1戻し水準で一進一退を続けており、半値戻しから全値戻しへの再発進期待を高めている。
■デジタルマーケティングで顧客単価が上昇しデジタル人材事業も続伸
今9月期3Q業績は、売り上げ17億1800万円、営業利益2億7500万円、経常利益2億7000万円、純利益1億8400万円となった。3Q決算は初作成となるため前年同期比較はないが、売り上げは前年同期比5.3%増、営業利益は同10.8%増となるとともに、IPO時予想の今9月期通期業績に対する進捗率は売り上げで76%、営業利益で89%、経常利益で96%、純利益で88%と目安の75%を上回った。同社は、クラウド型のデジタルマーケティング自動化ツール「ミエルカSEO」、「ミエルカヒートマップ」で1700社を超える大手企業向けにマーケッティングサービスを提供し、不足しているデジタル人材を「ミエルカコネクト」によりマッチングしては提供しており、組織的な販売活動の強化により顧客単価が上昇したことなどが、業績高進捗率要因となった。
今9月期通期業績は、IPO時予想に変更はなく売り上げ22億6000万円(前期比3.5%増)、営業利益3億900万円(同0.3%増)、経常利益2億8100万円(同9.2%減)、純利益2億400万円(同4.6%減)と見込んでいる。3Q業績は高進捗したが、この進捗分は、今期第4四半期に事業強化に向けた採用増やマーケティング投資に充当するとしており、保守的に予想している。
■PER8倍の修正で戻り高値952円奪回から公開価格目指す
株価は、公開価格1000円でIPOされ、1190円で初値をつけ上場来高値1388円まで買い進まれたが、IPO3日後の全般相場急落の波及で上場来安値684円へ急落し、今期3Qの高進捗業績で売られ過ぎとして底上げ、952円まで持ち直し、足元では上場来高値から同安値への調整幅の3分の1戻しの800円台固めを続けてきた。PERは8.9倍と割安であり、半値戻し水準となる952円の戻り高値抜けから公開価格を回復し、上場来高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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