(決算速報)
アルコニックス<3036>(東証プライム)は11月6日に25年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。商社流通分野における販売数量の増加、製造分野における価格転嫁の進展などにより大幅増益だった。そして通期予想を据え置いた。需要・市況の回復、価格転嫁やコスト改善の進展などの効果により大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。なお配当については上方修正した。株価は調整一巡して反発の動きを強めている。好業績、配当上方修正、指標面の割安感を評価して出直りを期待したい。
■25年3月期2Q累計大幅増益と順調、配当を上方修正
25年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績は売上高が前年同期比14.2%増の956億51百万円、営業利益が14.8%増の34億51百万円、経常利益が32.9%増の40億30百万円、そして親会社株主帰属四半期(中間期)純利益が38.9%増の26億61百万円だった。
商社流通分野における販売数量の増加、製造分野における価格転嫁の進展などにより大幅増益だった。営業外ではデリバティブ評価益が1億75百万円減少したが、為替差損益が3億90百万円改善(前期は為替差損9百万円、当期は為替差益3億81百万円)した。特別利益では投資有価証券売却益が1億02百万円増加し、特別損失では事業構造改善費用1億07百万円を計上した。
セグメント別利益(経常利益)は、商社流通の電子機能材が23.8%増の14億55百万円、商社流通のアルミ銅が342.1%増の6億70百万円、製造の装置材料が87.5%増の4億88百万円、製造の金属加工が1.6%減の14億19百万円だった。
商社流通の電子機能材は、レアメタルの販売価格が下落したが、ニッケル原料取引の販売量増加や収益率改善などにより大幅増益だった。商社流通のアルミ銅は、アルミ地金等の販売数量増加・価格上昇に加え、半導体用途の銅板条の販売数量大幅増加により大幅増益だった。製造の装置材料は、海外におけるメッキ材料、マーキング装置、検査用消耗品の販売好調に加え、カーボンブラシ等の製造原価上昇分の販売価格への転嫁も寄与して大幅増益だった。製造の金属加工は、半導体実装装置用部品等の販売好調で増収だが、半導体実装装置用部品や自動車用プレス部品における製品ミックス悪化による収益率低下で小幅減益だった。
なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が458億50百万円、営業利益が18億02百万円、経常利益が20億78百万円、第2四半期は売上高が498億01百万円、営業利益が16億49百万円、経常利益が19億52百万円だった。
通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年3月期比5.8%増の1850億円、営業利益が31.8%増の72億円、経常利益が32.2%増の72億円、親会社株主帰属当期純利益が181.6%増の45億円、そしてEBITDA(参考)が14.1%増の117億円としている。なお配当予想については11月6日付で6円(第2四半期末3円、期末3円)上方修正して、24年3月期比9円増配の64円(第2四半期末32円、期末32円)とした。予想配当性向は43.0%となる。
セグメント別利益(消去前経常利益)の計画は、商社流通が27.4%増の26億円(電子機能材が26.4%増の22億40百万円、アルミ銅が33.2%増の4億円)で、製造が34.5%増の46億円(装置材料が36.1%増の13億円、金属加工が33.8%増の33億円)としている。
需要・市況の回復、価格転嫁やコスト改善の進展などの効果により大幅増益、そして連続増配予想としている。第2四半期累計の進捗率は売上高が52%、営業利益が48%、経常利益が56%、当期純利益が59%と順調だった。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。
■株価は反発の動き
株価は調整一巡して反発の動きを強めている。好業績、配当上方修正、指標面の割安感を評価して出直りを期待したい。11月6日の終値は1395円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS148円85銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の64円で算出)は約4.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2180円07銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約433億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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2024年11月07日