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2024年11月11日

朝日ラバーは25年3月期2Q累計赤字、通期減益予想

(決算速報)
 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は11月8日に25年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。計画を下回り各利益は赤字で着地(10月30日付で下方修正)した。主力の自動車内装照明用ASA COLOR LEDの受注が計画を下回り、生産合理化につながる設備投資コストの増加なども影響した。通期についても10月30日付で下方修正して減益予想とした。自動車内装照明用ASA COLOR LEDの受注回復が遅れる見込みだ。積極的な事業展開で26年3月期の収益回復を期待したい。株価は年初来安値圏だが、下方修正に対するネガティブ反応は限定的のようだ。調整一巡して出直りを期待したい。

■25年3月期2Q累計赤字、通期減益予想

 25年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績は売上高が前年同期比10.0%増の36億94百万円、営業利益が48百万円の損失(前年同期は11百万円)、経常利益が57百万円の損失(同35百万円)、そして親会社株主帰属四半期(中間)純利益が86百万円の損失(同55百万円)だった。

 計画を下回り各利益は赤字で着地(10月30日付で下方修正)した。自動車スイッチ用ゴム製品や採血用・薬液混注用ゴム栓などの好調で2桁増収だが、主力の自動車内装照明用ASA COLOR LEDの受注が計画を下回り、生産合理化につながる設備投資コストの増加なども影響した。計画に対して売上高は1億40百万円、営業利益は1億65百万円、経常利益は1億68百万円、純利益は1億64百万円、それぞれ下回った。

 工業用ゴム事業は売上高が9.0%増の28億57百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が77.5%減の19百万円だった。売上面は自動車スイッチ用ゴム製品や卓球ラケット用ラバーの好調で増収だが、主力の自動車内装照明用ASA COLOR LEDが減少し、自動認識機器に使用されるRFIDタグ用ゴム製品も低調だった。利益面は機能性ゴム製品の開発品の立ち上げに関するコストの増加、生産合理化につながる設備投資コストの増加も影響した。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が13.5%増の8億36百万円、セグメント利益が28.7%増の70百万円だった。プレフィルドシリンジガスケット製品が顧客の生産調整の影響で減少したが、診断・治療向けの採血用・薬液混注用ゴム栓、医療シミュレータなどが好調に推移して大幅増収増益だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が18億38百万円で営業利益が12百万円、第2四半期は売上高が18億56百万円で営業利益が60百万円の損失だった。

 通期連結業績予想(10月30日付で下方修正)については、売上高が24年3月期比2.5%増の73億63百万円、営業利益が77.0%減の36百万円、経常利益が85.6%減の28百万円、親会社株主帰属当期純利益が92.5%減の10百万円としている。配当予想は据え置いて24年3月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。

 期初計画(24年5月14日公表)に対して売上高を4億09百万円、営業利益を2億45百万円、経常利益を2億35百万円、当期純利益を1億73百万円、それぞれ下方修正した。工業用ゴム事業において、主力の自動車関連製品ASA COLOR LEDの受注が、主要採用先の国内自動車メーカーの海外展開低迷の影響で計画を下回ることに加え、機能性ゴム製品の開発品の立ち上げに関するコストの増加、生産合理化につながる設備投資コストの増加なども影響する見込みだ。積極的な事業展開で26年3月期の収益回復を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は年初来安値圏でやや軟調だが、下方修正に対するネガティブ反応は限定的のようだ。調整一巡して出直りを期待したい。11月8日の終値は525円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS2円19銭で算出)は約240倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1105円64銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約24億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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