江崎グリコ<2206>(東証プライム)は4月30日、ネムノキが老化細胞を除去する効果を実証し、国内初となる特許を取得したと発表。同社保有の約6000種類の素材から探索した結果、ネムノキの花部分が正常細胞に比べて老化細胞を9.8倍効率的に除去することを見出した。これは玉ねぎなどに含まれるケルセチンよりも高い効率で、正常細胞には影響を与えない選択性も確認された。

老化細胞は加齢や紫外線などによりDNAが損傷した状態で、炎症物質を放出して体に悪影響を及ぼす。ネムノキによる老化細胞除去(セノリシス)技術は、体内に蓄積する老化細胞を取り除き、加齢関連疾患の改善や健康寿命の延伸につながる可能性がある。特に食品として日常的に摂取できる予防的方法として期待される。
同社は既にPCT国際出願を行い、今後はグローバルでの特許取得と製品化に向けてヒトでの抗老化効果の検証研究を進める。医薬品が疾患治療を目的とするのに対し、食品は日常的に摂取できる特性を活かし、ネムノキによる老化ケアの可能性を探っていく。グリコグループは「ヘルシーエイジング」を注力領域として老化メカニズムの研究を進め、健康寿命延伸への貢献を目指す。
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!