ベステラ<1433>(東証プライム)は6月9日に26年1月期第1四半期連結業績を発表した。売上高は大型工事の端境期で減収だが、利益は前期の赤字工事の影響が一巡して大幅増益だった。そして通期の純利益予想と配当予想を上方修正した。第1四半期の進捗率は低水準だが、第2〜3四半期に大型工事着工を予定している。老朽化プラント解体工事の増加で中期的に事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお自己株式144万株の償却(25年7月15日予定)も発表した。株価は年初来高値更新の展開だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。
■26年1月期1Q大幅増益、通期純利益・配当予想を上方修正
26年1月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比14.4%減の25億31百万円、営業利益が7.9倍の1億33百万円、経常利益が7.9倍の1億21百万円、親会社株主帰属四半期純利益が1億44百万円(前年同期は29百万円の損失)だった。売上高は大型工事の端境期で減収だが、利益は前期の赤字工事の影響が一巡して大幅増益だった。また特別利益に投資有価証券売却益1億20百万円を計上した。
セグメント別に見ると、解体・メンテナンス事業は売上高が15.7%減の24億32百万円で営業利益(全社費用等調整前)が26.9%増の4億73百万円、その他事業の売上高が38.1%増の98百万円で営業利益が52.8%増の29百万円だった。全社費用等調整額は前期が▲3億75百万円で、当期が▲3億68百万円だった。
完成工事高(15.7%減の24億32百万円)の業界別構成比は電力が13%、製鉄が44%、石油・石化が21%、ガスが3%、3Dが1%、環境が5%、その他が13%、完成工事高に占める元請案件は6億45百万円で元請比率は26.5%、同社単体ベースの工事監督者1人あたり完成工事高は23百万円(前年同期は35百万円)となった。電力の構成比が低下の形となったが、第2四半期以降に風力・原子力発電関連案件が貢献する見込みだ。また元請案件比率が低下したが、これはエンジニアリング子会社経由の発注が大部分を占める製鉄案件の構成比が上昇したためである。
受注高は54.0%減の13億39百万円、期末受注残高は14.1%減の61億04百万円で、受注残高の業界別構成比は電力が15%、製鉄が52%、石油・石化が26%、環境が5%、その他が2%となった。受注高は利益率を重視した選別受注を強化したため減少したが、受注環境は良好で、多数の引き合いを受けている。また低利益率の大型工事が完了したため、受注残高を構成する工事の利益率も上昇している。
なお営業利益の前年同期比1億16百万円増加の要因分析は、減収要因で57百万円減少、原価減少要因で2億19百万円増加、人件費率増加要因で52百万円減少、販管費減少要因で6百万円増加としている。
通期の連結業績予想は、第1四半期の政策保有株式売却益計上等により6月9日付で親会社株主帰属当期純利益を50百万円上方修正して、売上高が前期比19.3%増の130億円、営業利益が221.2%増の12億円、経常利益が116.2%増の12億80百万円、親会社株主帰属当期純利益が131.8%増の9億50百万円としている。配当予想についても6月9日付で期末10円上方修正(上場10周年記念配当10円を実施)して、前期比20円増配の40円(第2四半期末15円、期末25円)としている。予想配当性向は37.0%となる。
26年1月期も大幅増収増益予想で、配当は大幅増配予想としている。豊富な受注残を背景として引き続きプラント解体事業が好調に推移する見込みだ。なおグループ会社の不採算事業については、事業の選択と集中により事業の統廃合・売却等を検討する。第1四半期の進捗率は低水準だが、第2〜3四半期に大型工事着工を予定している。老朽化プラント解体工事の増加で中期的に事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は上値試す
株価は年初来高値更新の展開だ。利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。6月9日の終値は1119円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS108円18銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の40円で算出)は約3.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS546円88銭で算出)は約2.0倍、そして時価総額は約116億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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2025年06月10日
ベステラは26年1月期1Q大幅増益、通期の純利益予想と配当予想を上方修正、自己株式消却も発表
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