インフォマート<2492>(東証プライム)は6月10日、invox(本社:東京都新宿区)と協業して提供する、発注書をAIでデジタル化する「発注書AI−OCR(invox)」が、シモジマ<7482>(東証プライム)に導入したと発表。

●シモジマによる導入理由と効果(取材協力)営業統括本部 特販営業部
■導入理由と効果
【導入前の課題】
シモジマは1920年に包装材料の卸問屋として創業した。主な取扱商品は紙袋、包装紙、ポリ袋、食品容器、梱包資材、文具事務用品などであり、自社開発商品を含めて約10万点以上、約2,000社から仕入れている豊富な品揃えが強みである。全国の営業所を通じた取引先は5,000社以上にのぼり、特注品も含めて多岐にわたる商品を提供している。
導入前の受注業務においては、FAXによる受注が全体の約30%を占めており、手作業によるデータ入力に多くの時間がかかっていた。特に、商品コードの記載がない商品名だけの発注書では、カタログから商品コードを検索する必要があった。さらに、基幹システムへの入力作業には、コードの確認・入力・チェックに最低3人の人員を要し、ミスやトラブルが発生した場合には追加の人員対応が求められていた。
【導入の決め手】
シモジマは当初よりEDI比率80%を目指していたが、導入前の時点では70%にとどまっていた。目標達成と業務効率化の観点から、複数社のOCRシステムを比較検討した結果、「発注書AI−OCR(invox)」はインフォマートの信頼性やサポート体制に安心感があったことが導入の決め手となった。
「これが自社の課題を解決する手段である」と判断し、トライアルを経て早期に導入を決定した。また、既に「BtoBプラットフォーム 受発注」と基幹システムを連携済みであったため、開発費用を抑えて導入できた点も評価された。
【導入効果】
現在、全体で月間約3万枚のFAX発注書のうち、4,000〜5,000枚を「発注書AI−OCR(invox)」で読み取り、基幹システムに自動取り込みしている。その結果、手作業による入力作業が大幅に削減され、作業時間は半減。これまで3人以上を要していた業務が、1〜2人で対応可能になった。
また、現場から「このFAXはOCR処理可能ではないか」との提案が増え、デジタル化への前向きな姿勢が社内に広がった。AIの学習機能を活用する担当者も増加し、EDI比率は70%から80%に向上した。
【今後の展望】
現在の「発注書AI−OCR(invox)」の月間処理件数は約5,000枚であるが、読み取り可能なフォーマットを増やすことで、月1万枚の処理を目指している。これにより、1人当たりの生産性のさらなる向上が見込まれる。将来的には、他部門でも本システムを活用していく方針である。
たとえば経理部門では、仕入先からの納品書の一部にEDI連携を導入しているものの、依然としてデジタル化の余地が残されている。こうした領域にもシステムを活用してデータ化を進め、全社的なDX推進につなげていきたい考えである。
■サービス概要
FAXやメール(PDF)で受信した発注書を、「発注書AI−OCR(invox)」がデータ化し、「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」と自動連携する。この受注データを基幹システムに取り込むことで、全ての受注をデータ化し、入力作業を削減できる。
※「発注書AI−OCR(invox)」は「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」の有料オプション機能であり、利用には「BtoBプラットフォーム 受発注ライト」のIDが必要である。
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